見出し画像

建築事務所のいろいろ_転職 その時が来た!②

BIGを去ることを決めた私。さて、次はどこで何をしようか。まずは思いつくまま書き出してみた。

画像1

いきなり「日本に帰りたい。5年ぐらい先?」とでた。アメリカ生活25年。大学で建築を学ぶため渡米し、自分や親の老後など深く考えず、就職や結婚などを経てすっかり根を下ろしてしまった。でもどうもこの地に骨を埋めることにピンとこない。5年先に帰国して日本で就職なんて現実味のない話だけど、せめて退職後は日本に住むっていうのもいいなあ、と妄想してしまう。次の仕事はその下準備ができること。色々な方法があるけれど、例えば日本のプロジェクトに関われる職場。そうすれば日本にツテができるだけではなく、日本に住む年老いた両親にも会う機会も増えるかもしれない。

次に「建築:華々しいリーダーになんてならなくていい。もっとこつこつとspotlightがあたらなくても、それを理解してくれる人のもとで働きたい」だ。核心に触れている。これはBIGを去ることを決めた一番の理由から来ているのは明確。アンダーラインが二か所も入っているところを見ると、かなり重要度が高い。建築の仕事は本当にいろいろな役割がある。その中には世間に分かりやすくスポットライトが当たる人がいる一方、その舞台裏には建築を現実にするための多種多様な仕事がある。私はそちらの人間。自分は仕事の中で何が好きだろうと考えると、構造や設備のエンジニアとやりとりしたり、ディテイルを考えるのが好きだなあ。それは地道な作業だけど、誰かがしなくてはならないことで、しかもそれは建築を建築するために絶対必要な仕事なのだ。だから次もこんな仕事をしたいし、それをちゃんと評価してくれる人がいる建築事務所に所属したい。

そして最後に「ダイアグラムやpretentious な建築じゃなく、人のための建築」。これはどういう事かと言うと、トヨタウーブンシティで日本に出張した時、クライアントのトヨタの方や、AORの日建設計の皆さんからBIGのデザインについて頻繁に聞かれる質問があった。それは「BIGさんのデザインは使い手にとって何が嬉しいんですか?」ということだった。なるほど、確かにBIGのデザインはワクワクするしカッコいいかも知れない。ダイアグラムとして説明できても、「何が嬉しいのか?」と聞かれた時うまく説明がつかないこともあった。それは建築家にとって大切なことだと思った。

あとは大学で教えたり、はたまた全く違う世界にチャレンジも妄想してみたが、やっぱり今までせっかく建築をやってきたんだから、これからも続けようと思った。

さてどこにたどり着くか。お楽しみに。
つづく。

画像2
ニューヨークもやっと秋めいてきました。しかし今年の夏は蒸し暑かった!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?