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建築事務所のいろいろ_3人のビッグスター、海を渡る

やはり、、、いい建築をつくるには人と人が顔を合わせてやらなきゃいけないんだ。鍋の中でぐつぐつと一緒に煮込まれる具材のように、建築家も施主もそれに係る人たちがぐちゃ~っとならないといけないんだ。これを実感した2020年だった。

トヨタウーブンシティは「富士山」にかけて来月2月23日に鍬入れ式が行われる予定である。コロナ禍、正直最初はプロジェクト自体が止まってしまうのではないかと勝手に心配したが、そんな様子は微塵もなくものすごい熱量で進行中だ。ただ3月以降予定されていたBIGチームの日本行きは全てキャンセルとなった。打合せ、中間プレゼンなどはビデオ会議、他ITツールを駆使して行われた。一番苦労したのは日本とニューヨークの時差。業務時間が重なるのはほんの数時間。それでも皆がそうしていたように、なんとかできた。プロジェクトも進んでいった。

でも、、、、何かが違う。なんなんだろう、あの空虚感。なにかスープの上澄みをすくっているような感じ。。。グツグツ感がない。
夏が終わりコロナは少し落ち着きはしたが、まだまだ厳しい状況が続いた。日本政府も日本パスポートを保持した者か、特別な許可のある外国人のみの入国を認めていた状態。入国後も2週間の自主隔離が強いられる厳しい水際対策。でも、、、このままでいいんだろうか。

私たちは決断した。日本に行こう!行ける人だけでもとにかく行こう。通常ならせいぜい1週間の出張も、2週間の自主隔離を入れると、最低5~7週間滞在しないと意味がない。ロックダウン以後20キロ圏内で生活していたコロナ疲れの私にとってはある意味いい気分転換にもなった。
ガラガラの飛行機に乗る。中国人と見られる数名の客は白い全身防御スーツを着ていた。到着した成田空港はPCR検査場と化していて、いつもはごった返している乗降場もほぼ無人。。。これが1年も経たないうちにオリンピックをしようとしている街とはとても思えない景色だった。

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3人はそれぞれの自主隔離場へと移動。隔離中は仕事もリモートだから、どうせなら快適に楽しく行こう。ということで一人は千葉の海辺、一人は鎌倉へ、そして私は美味しいもので溢れた浅草で2週間の隔離に入った(食べたいものをデリバリーしまくり、結果2キロも太ってしまったが。。。)。

隔離が終わりやっとプロジェクトチームと会えた時は、とにかく嬉しかった。模型を囲んでのディスカッション、コーヒーブレイクやランチタイムの何気ない会話から見える人となり。そして何と言ってもそれに係る全ての人の熱量を直に感じることができたこと。家族としばらく会えなくても、やっぱり来てよかった。。。心からそう思ったし、建築はリアルに人が係りながら創るものなんだ!と感じた。

が、やはりコロナ禍での移動は時間もお金も労力もすごくかかる。ニューヨークに戻った後も家族に会えないまま自主隔離、この2か月で4回もPCR検査を受けた。クリスマス前に戻ったアメリカのコロナ状況はさらに悪化していて、東京都とほぼ同じ人口のニューヨーク市の一日の新規感染者数は4000人を越えている。とにかく水際対策がゆるゆる。せっかく日本出発直前に受けたPCRの検査結果も提示することもなく入国。そして日本のニュースからも目が離せない。果たしてまた近いうちに日本に行けるのだろうか。。。厳しそうだ。でも早くチームに会いたい!

つづく

追伸:現在ニューヨークのレストランは屋外のみの営業が許可されています。ハロウィーンの度に思うのだけど、ニューヨーカーの創意工夫はレベルが高い。この寒い冬のニューヨークで、そこまでして飲食したいのか、は別ですが。。。(こちらは元ビッグスターが係っているプロジェクト re-ply。ロックダウン中店舗のバリケードとして使われていたプライウッドを再利用。)

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