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星野源を読む

伝えること・正しく自分の想いを伝えること
このためにかける時間・ツール・言葉・雰囲気、その全てを怠らない人。
それが、星野源なのだと思う。

ダ・ヴィンチの星野源と思考を読んで感じたこと。

誰しも自分の”想い”を届けたい。
それはサラリーマンだとしても同じことだろう。
そこに企業としての利益や部署としての役割という”企業名”が入ってくる。
自分自身の想いだけではどうにもならない。
なぜなら、企業を盾に仕事をし企業という商品を売っているのだから。売り出すものは自分ではない。
とはいえど、誰しもがまずは自身の想いを届けるために動く。働く。表現する。


星野源は”星野源”という企業名を怠らない。
ブランド価値という表現の方が伝わりやすいのだろうか?
星野源というブランドを最大限まで星野源にするために、彼は星野源を怠らない。
『誠実にわがままに』星野源を作り出す。

自分の想いだけを作り出すことだけ考えていたらお金は作れない。
お金が生み出せなければ仕事として成立しない。
そのバランスを『誠実にわがままに』と、表現する彼。


そんな星野源というブランドを作り出すのは星野源1人ではない。
彼自身の力だけでは表現しきれない、幅が狭まってしまう部分について、吉田ユニを始めとする周りの人を彼は躊躇なく巻き込む。
その人たちに誠実にわがかままを伝え、アイデアを交換し合い作り上げていく。

もちろんそれは、吉田ユニのような形にしてくれる人たちだけではない。
細野晴臣や三浦大知という、星野源に刺激を与える人たちもまた星野源というブランドを作り出す人たちだ。
この人たちは直接何かを作り出す訳ではなく、そのための”思考”という力を彼に与える。
それは何気ない普段の会話から、好きなものの話から、音楽という仕事の中から。
彼は意識することなく彼らから力をもらい吸収していくのだろう。


そのために必要なもの。
それは彼が持つ、言葉・コミュニケーション力だと感じる。
自分の想いを自分と同じ熱量で受け取ってもらうのはとてもとても難しいことだ。
どんなにフラットに相手や物事と向き合ったとしても、個人の感情が入ってしまう。
でも、彼はそれさえも彼の力に変える。
相手の感情や想いさえ、彼の力になる。彼のアイデアになるのだ。いや、するのだ。

それは所謂、”言葉”だけでは出来上がらない。
彼が発する雰囲気に宿ると思う。
”すべて教えて、聞かせて。自由に伝えて”という誰も否定をしない、そのままそこにいていいよという彼の雰囲気。
それが周りの人たちを裸にする。
裸にすることで彼は生の意見をもらうことができるのだろうと思う。
それは、彼が嘘をつかない、彼自身もまた裸だからこそ相手も裸になれるのだと思う。


●○●
私は彼と話をしたことも会ったこともない。
LIVE会場で一観客として彼を見たことしかない。
それでも思う。
彼と話がしてみたい、仕事を一緒にしてみたい、と。
ファンとしてではない、ただ同じ人間として。

それが彼の魅力なのではないだろうか。

「源さんと話をしてみたい」それはすなわち、彼の考えることを覗いてみたい。触れてみたい。
だから彼の作り出す音楽・MV・言葉に群がり、気がつくと感染している。
感染だけで留まることができる人はどれだけいるのだろうか。
もはやほとんどの人が”中毒者”なのではないだろうか。
新しいアルバムで被害者がまた増えることは容易に想像がつく。

解毒剤のない世界。
思う存分に味わい、楽しみたい。

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