makiLilia

詩やエッセイや物語を書いています。

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マガジン

  • 愛(うつく)しいひと

    人生で出会ったうつくしい人たちのことを書いていこうと思います。出会いを祝い、捧げる賛歌のようなものです。

  • コットンちゃん

    小人コットンちゃんは、風の惑星に下り立ち、「ひがしの国」づくりをはじめています。その記録となります。

  • fariat 〜ファリアット〜

    詩集です。もう一つの詩集『たまご』より、大人向けのものを集めています。

最近の記事

川口 由一さん〈後編〉 〜「愛(うつく)しい人」vo.1

 自然農は、いまでこそ、自然志向のひとや、若い世代にとっては親しみのあるものではあるが、それでも未だ大多数は、機械・農薬・肥料を使っての慣行農法である。  それが、40年前、前例もなかったとなると、そうとう異端なこととされただろう。田舎の農村土地だったため、虫や雑草の種が飛んでくると起こってくる人がいたり、あそこの農家は気がふれた言われ、子どもたちが学校でいじめにあったり、母親に理解されずやめてくれと懇願されたりしたらしいが、川口さんは確固として自分を曲げなかった。(その時の

    • 川口由一さん〈中編〉 〜「愛(うつく)しい人」 vo.1

       川口さんの名が知られるようになると「自然農」というのに特別感を出して野菜を高く売ろうとか、この方法は素晴らしいから、自然農を教える学校を作ろうとか、色々な誘いがあったという。だが、その全てを断っている。  川口さんは、自分のいのちに誠実にいることが大事なのであって、そういう外に向かっての「運動」をするのは「はしたないと感じる」と話していた。  旗を立てるのはいいが、旗を振るのは違う。  そういったことをする自分は嫌で耐えられない気持ちになる、と。そうやって自らを省みる

      • 川口由一さん〈前編〉  vol.1 〜愛(うつく)しい人

        〜自然農、古方漢方、そして、人生の師である川口由一さんに捧ぐ〜  師が逝去されて1年になる。   これまでの10年も、おおよそ何か大切なときには、川口さんのことを思い浮かべていたように思うけれど、この1年は、川口さんを思い出さなかった日はないのではないかというくらい、いつも想い、そばに感じていた。  川口由一さんの名前を聞いたことがある人は、おそらく自然農の文脈でだろう。  耕さず、農薬も肥料も必要としないで、豊かな実りを得られる農を実現された、近年の日本での自然農の開祖

        • 3/4-0

          3階と4階の間に、”3/4-0”というフロアがある。 急がなければ行けない。そのフロアの水道をみつけて、蛇口の水を身体にかけなければ、わたしの存在が分かられてしまう。そこかしこに配置されている見張りは目が見えないが、気配で存在が分かる。その気配を消してくれるのがその水というわけだった。  実際は、その水をかけると、確かに気配は消せたが、その分、身体が少しずつ溶けていくようだった。ろうそくの蝋が落ちるみたいに。そして、溶けた蝋が再度乾いたとき、見張りがこちらを向いた。まずい

        川口 由一さん〈後編〉 〜「愛(うつく)しい人」vo.1

        マガジン

        • 愛(うつく)しいひと
          2本
        • コットンちゃん
          4本
        • fariat 〜ファリアット〜
          1本

        記事

          できすぎちゃんのがんばったで賞

           2週前、あるきっかけで新しい習いごとに興味出てきて、そのためにボルダリングをやめると言い始めた小人。  奇数月にレベルアップ試験があって、このまま続けていたら7月に次の試験を受けようとしていたのを、急遽5月末、いまがんばっている5級を受けるか受けないか、ずっと迷っていた。  週末、立て続けにもう1つの習いごとである合唱団で他団体との共演があり、休みがないなか、少しの間や放課後の時間をつかって、まめに練習に通い、申し込み締切りだった1週間前に、試験を受けることは決めた。 ずっ

          できすぎちゃんのがんばったで賞

          fariat

          「どうもこんにちは」 と お辞儀した 最初のその角度で これからの行く末が決まっていく たくさんの言葉を浴びながら 反応する自分の言葉を返すのをやめて ただ聴き入る 自己の内部の静けさが いのちの大地となる こんなに 宇宙は日々生まれ 分化し 生まれ直しているというのに なんでもないような ねぼけた顔で 僕の傍らを廻るファリアット 重ねたトランプみたいな並行宇宙の カードとカードのあいだ 君が押しつける波で 僕が象られる 溜まった孤独が流れ始める 歴史に 記憶に 色

          「なみだ」

          泣いたあとの おかあさんはかわいい ほっぺたに 涙のにおいがのこっている  雨のにおいみたいな いいにおい だから きょうは いっしょに 寝よう     ◇ 昨日、小人が言ってくれた言葉。 そのまま書いただけで、なんだか詩みたいに聞こえる。 そう言ってたら、小人自身が詩を書きはじめた。     ◇ 「なみだ」 かなしいときにでる なみだ さみしいときにでる なみだ うれしいときにでる なみだ おもわずでてしまう なみだ なみだがでない じんせいなんて ないさ  

          「なみだ」

          ひがしの国づくり

          風の惑星でひがしの国づくりをはじめたコットンちゃん。 いまのところ、こんな感じのようです。 ▼ひがしの国_南側 地図 まずは、門をつくるのに、2つの木にまたがってかえているとのこと。 横にかけるながーい棒を探すのが大変で10本くらい持ってきて、スタッフの人にすごいね〜と言われて嬉しかったらしい。 門をくぐると、左手に木のブランコ、右手に ・・・ストレッチゾーン?? 「これはなに?」 と聞いてみると、 木のにロープとかがついていて、それを引っ張るとストレッチができる、と

          ひがしの国づくり

          コットン文庫 2021_4月16日版

          金曜日は、「放課後居残りしている子が少なかった」ということで、 一人で小説を書いてきた小人。 2ページの短編です。 『しずかなもりの えりこさん』 あるところに、一人のおばあさんがくらしていました。 おばあさんはしずかなもりの中の一けんやにすんでいました。 ある日おばあさんが、あみものをしていると、まどから2人のおとこのこのかげがみえました。おばあさんはあったかいおちゃをのんでから、げんかんにちかづいてとをあけました。すると、さっきのおとこのこ2人が目のまえにたっていまし

          コットン文庫 2021_4月16日版

          そろそろガクシュウ

          学校がはじまって10日ほど経ちました。 毎日、外でもりもり遊んでいるようで、早速、上着のポケットにゴツゴツした石を入れて帰ってポケットを真っ黒にしています・・・.。 石が大きい・・・。 外遊びしているからか、食欲が旺盛になり、夜もパタンと寝るように。 毎日「学校が楽しみ」と言っていて、朝もチャキチャキ準備してる。 おべんと持って、レジャーシート持って、なんだか毎日が遠足の日みたい。 帽子をかぶって行くのに、初日から真っ赤に日焼けして帰ってきて、 10日経ったいまでは、も

          そろそろガクシュウ