川口 由一さん〈後編〉 〜「愛(うつく)しい人」vo.1
自然農は、いまでこそ、自然志向のひとや、若い世代にとっては親しみのあるものではあるが、それでも未だ大多数は、機械・農薬・肥料を使っての慣行農法である。
それが、40年前、前例もなかったとなると、そうとう異端なこととされただろう。田舎の農村土地だったため、虫や雑草の種が飛んでくると起こってくる人がいたり、あそこの農家は気がふれた言われ、子どもたちが学校でいじめにあったり、母親に理解されずやめてくれと懇願されたりしたらしいが、川口さんは確固として自分を曲げなかった。(その時の