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動物園に行って思ったこと

子どもはなるべく早いうちに、つまり小さいうちに動物園に連れて行くといいそうだ。

アレルギーなどの耐性がつくからとの理由だけれど、
どこまで信憑性のある話かはわからない。

娘はというと、なかなかタイミングが合わず、
というより結局のところ、親である私がそこまで乗り気ではなかったので、
6歳になる今まで連れて行ったことがなかった。

乗り気じゃない、というか、
ある程度色々なことが見えるようになってからの方が本人にとってもいいのではと思っていたし、
ほんとかうそかわからないような情報に貴重な時間を振り回されたくないという、
私らしい?ひねくれた?考えがあったもので。

でもついに先日、娘と、お友達母子とで動物園へ。
当然ながら、初めて間近に見る動物の姿に、娘は驚きと感動の声をあげ続けていた。

で、やっぱり6歳くらいになれば自ら色々な視点で見ようとするし、
大人のアシストに反応して、またその視野を広げることができる。

本や映像ではわからなかったこと、
例えば、大きさ。
像が大きな動物であることは頭では理解していても、
自分と比べるとどうか、
自分の目線からどれくらいの高さに像の頭があるか、
足の大きさは、鼻の長さは…と細かく見ていくと、
どれだけ大きな動物かがまさに実感できる。

例えば、質感。
像の皮膚はゴツゴツしてそう…
でも鼻はクネクネ柔らかそう…
シワがたくさんあるな…

例えば、餌の食べ方。
鼻を使って餌をつかんで食べることは知っていたけれど、
一度つかんだ餌を鼻先で何度かクルックルッと束ね直して、
きれいにまとめたものを口元に運ぶ。
とても効率がよくそのうえ上品なのだ。
こんなことは、目の前でしばらくじっと見ていなければやっぱりわからなかったことだ。

そうして見たこと感じたことを、娘とああだこうだと話し、それは帰宅後も続いた。
うん、このタイミングで行ってよかったと思う。
とても勉強になったのは確か。


でも反面、ちょっとせつなくなったのも正直なところで。

柵のこちら側から眺める大勢の人(入場制限していたものの結構混んでいた)を、
じーっとあきらめるように眺める森の人、オランウータン。

餌やりのための飼育員の出入り口に何度も体当たりする、やや気が立った様子のツキノワグマ。

食べたり飲んだり出したりの様子をすべて見られるのは、そりゃストレスだよなぁと。

国内最大級の広大な敷地、自然に近い環境での飼育とはいえ、野生ではないわけで。

ほかを知らなければ比べようがないから、
その場所で満足のいく一生を終えられるのならそれはそれで幸せじゃないか、
という考え方もあるけれど。

本当に、そうだろうか。

もっと単純に純粋に楽しめばいい話かもしれないけれど、
つい考えてしまった動物園に行った日のこと。