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人生で大切なたったひとつのこと

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大分前に読んだ本のことを思い出しました。「人生で大切なたったひとつのこと」。ジョージ・ソンダースさんが2013年にシラキューズ大学の卒業式で行った、伝説のスピーチの内容が書かれた本です。

ジョージ・ソンダースさんは、小説家のようですが、そんなことどうでもいいくらいいいことを話しています。

80歳以上のお年寄りが、人生で一番後悔していること

お話のメインは、「人生と後悔」。80歳以上のお年寄りに、「人生で一番後悔していることは?」と質問したら、返答が多かったNo.1は、

「挑戦しなかったこと」

だったそうです。そして次に多かったのが

「やさしくしなかったこと」

スピーチでは、この2つめの「やさしくしなかったこと」について彼のエピソードを交えて述べています。

誰にでもありそうな、ちょっとした優しさが足りなかった場面

借りた本だったので、手元になくて詳細を書けませんが、だからこそ本当に心に残っていることだと思っています。

ジョージさんが、「優しくしなくて後悔している」と今でも思っているエピソードは次のようなこと。

子供のころ、近所に同じ年の女の子が引っ越してきた。彼女はおとなしくてなかなか周囲に馴染めず、学校でいつも一人でぽつりとしていた。ジョージさんは、気になるものの恥ずかしくて声をかけられないまま。

ある時、(休みの日か放課後)、自宅の庭で、学校と同じように寂し気にぽつんとしている彼女を見かける。何か声をかけようか…と思ったが、結局何も言えず。でもその悲し気な姿が目に焼き付いていた。

そうこうしている間に、彼女はさよならも言わずにまた別の街へ転校してしまった…。

というお話。

転校生とかではなくても、似たような経験、ありませんか?あなたがそれをしなかったからといって、何か重大なことがおきた、とか、誰かがひどく傷ついた、とかではないけれど、もしかしたら少しは、その人のために何かできたのかもしれない。でもしなかった。

私はあります。忘れていることもたくさんあるけれど、感じた感覚でたくさん覚えています。

私の「やさしくしなかった」後悔

勇気を出せなかったこと、チャレンジしないで諦めちゃったこと、なんかももちろん人生の後悔なんだけど、私にとっては、「あー、ばかだったな」という程度の何となく軽い後悔です。

ところが「やさしくしなかった後悔」は、とても切ない気持ちで、どこをどうとっても「後悔」そのもの。

というのも、私が「やさしくしなかった」人は、もう天国に行ってしまった私にとってたった一人の父だからです。

父は、私が小さい頃に海外に単身赴任していて、家にいなかったことが多かったせいもあるのか、なぜか昔から気が合いませんでした。とっても器用で世話焼きな人だったから、父にしてもらったことはたくさんあります。大人になってからはとても感謝していたけれど、それでも顔を合わせると父がすることが何もかも気に入らなくて、文句ばっかり。

私がスペインから、紙きれ1枚で、「結婚するから戸籍謄本を送ってほしい」と告げたとき、父はとてもショックでその手紙を見ようとしなかったと母に聞きました。それでも、私が決めたことを認めてくれて、夫にも誠意のあるやさしい対応をしてくれました。

ほんと勝手な娘だと思います。そして、好きにさせてくれた両親。悪い所ももちろんあるのですが、結構自慢です。

父が亡くなる前に、まだ1歳だった子供を連れて、病院に会いに行けたことだけがせめてもの救いです。病院に行ったといっても、子供が静かにじっとできなくて、顔見せくらいだったけれど。

まずは身近な人から

今でこそ人生で出会いなんてそんなにあるものじゃない、ということが分かってきましたが、10代、20代は特に、結構な数の人を人生でスルーしてきたと思います。もちろん無視、とかわざとじゃなく。人として相手に興味を持てなかったということです。ほんと、失礼な人でした。

全ての人にいつも親切ではいられないとは思います。善良な気持ちはあっても余裕がないことも。でもせめて、まず、自分の身近な人からできるだけいつもやさしくできるように心がけたいです。「やさしくしなかった」後悔だけはもうしたくないと思うから。


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