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アオを迎えた日

2023年2月に、廃業ブリーダーから保護された甲斐犬(7歳♀)を引き取りました。今回は、お迎えした日のことを振り返ってみます。

なお、アオを引き取ったのはブリーダー施設の劣悪な環境から犬の引き出しが続いている時期でした。この件で救出された犬は100頭以上に上り、複数の保護団体が介入し、現在も里親を募集していると認識しています(2023年6月現在)。

一般に保護犬の譲渡というと、保護団体が犬の手入れや健診、去勢/不妊手術、社会化トレーニングなどを行ったうえで里親を募集し、選定・トライアルを経て譲渡成立となるケースが多いと思います。しかしアオの場合は頭数や緊急性といった背景もあり、保護団体の方が1週間ほどお世話をした後で、そのまま我が家にお迎えしています。(犬同士の相性が悪すぎたら、自分たちで里親を募集すると伝えていました。)

さて、うちには先住犬のこかげがいます。後から犬を迎え入れるにあたり、注意すべき点をネットで調べました。主には以下の点です。

・新しい犬をいきなり家に入れず、どちらの犬にもテリトリー意識がない「中立地帯」で引き合わせる。
・家の中で取り合いになる可能性のあるおもちゃや器を片付けておく。
・互いに警戒しないよう、最初は家の中で居場所を分ける。

車にこかげを乗せてアオを引き取りに行きました。保護団体の方はご自宅の前で待っていてくれ、無事顔合わせは「中立地帯」で実現。しかしこかげはアオにほとんど関心を示さず、その家にいる他のワンコたちに興味津々。ちょっと拍子抜けする感じでした。

アオは甲斐犬にしてはずいぶん小柄で、虎毛もはっきりしないけど、ベビーフェイスのかわいらしい子という印象でした。リードをつけておとなしくしており、車に載せたクレートにも素直に入ります。が、車が動き出すと悲痛な叫びと遠吠えをはじめ、同時に車中になんともいえない異臭が。「怖くてもらしちゃったのかな?」と思って確認するも、その様子はなく、それは屋外にいるときは気づかなかったアオ自身についていたにおいなのでした。

家に連れて入れると、こかげとアオは互いにそれほど関心がないかのように、つかず離れずの距離を取ります。こかげはもともとフレンドリーで若干押しの強い子なので、しつこくするかな、と思っていたらそんなことはありませんでした。何はともあれ、どちらも警戒する様子がないのは幸先が良いと思いました。

アオは家の中でもときどき遠吠えをしますが、ごはんを出すと尻尾をぷりぷり振りながら寄ってきて、手からもフードを食べます。体は全く触ることができませんが、これは想定内だったので特に気にしませんでした。こかげとお互いのご飯を気にする様子もなし。また、アオはおもちゃには全く興味を示さないため、取り合いの懸念は杞憂に終わりました。

居場所については、こかげのドッグサークルが2階にあるので、1階の階段下のデッドスペースにアオのクレートを置きました。こかげが存在すら知らなかったはずの空間なので、侵入リスクを感じることはないだろうと。アオは人の手が届かない安全な隠れ場所はクレートではなく「クレートの後ろ」であることを早々に見抜き、そこを当初の居場所に定めた様子です。
これが、後日悲劇を招く要因となるのですが。。。。。

ともかく、お迎え初日は大きな問題もなく終わり、アオとの暮らしは幕を開けたのでした。


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