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「National Theatre Live 10周年記念シンポジウム」に行ってきました


「NTライブ・イン・ジャパンの回顧と展望」

これが副題になります。

パネラーは6人いらっしゃいました。

シェイクスピアといえば、翻訳家の松岡和子さん。
上演台本の執筆や翻訳をされる、広田敦郎さん。
NTLの字幕の9割を担当されている、柏木しょうこさん。
イギリスの演劇情報に詳しい、村上祥子さん。
パンフレットの編集長、兵頭あおみさん。
NTLの上映を扱っている会社の社長、中村道子さん。
進行役は、青山学院大学教授の狩野良規さん。

錚々たるメンバーでした!

そのため、とても楽しい3時間でした。

10年間で62作品あるそうです。前半は、それぞれのベスト3を紹介すると言う形で、後半は事前に受け付けた質問や会場で集めた質問に回答するという形式でした。そのゆる~い感じも、なかなか楽しかったです。もちろん、内容はマニアックですが。

私は「リーマン・トリロジー」でNTLの存在を知って、そこからファンになりました。だから、10年のうちのたった1年程度知っているということになります。一応演劇を勉強する身としては、シェイクスピアは知っていたいけれど、なかなか読むことができずにいました。NTLに興味を持って調べていたら、レパートリーにシェイクスピアが結構あり、現代版に翻案されているので、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーを観るよりわかりやすいかな、と思ったのがきっかけです。そして今では、シェイクスピア以外も含めて、すっかりその虜になっています。

私は翻訳と脚本の両面から見るクセがあるので、松岡さん、広田さん、柏木さんのお話が特におもしろかったです。翻訳が原文とガシッとハマる話とか。めちゃめちゃうなずいて聞いていました。

逆に「シェイクスピアは自分で訳しているので、こだわりが出てしまって、不満を感じやすい」と松岡さんがおっしゃっているのがおもしろかったり。その気持ちもわかります。

そして、広田さんが松岡さんから教わったとして、「we(私たち)」をしっかり訳出することが戯曲では大事だという話もすごく勉強になりました。翻訳では、主語をできるだけ省く、ということは知っているので、「戯曲ではもっと自己主張する」ものだという話に「あっ!」と驚いてしまいました。

あとは、映画とも芝居ともいえない、第三の形態なのではないかという話もおもしろかったです。観客席から観えない部分を見せつつ、映画とは撮影対象が違うという意味です。

もっともっといろんな話がありましたが、全部書ききれませんね!


ちなみに、年末年始のアンコール上映もこの会に合わせて、昨日発表になったそうです。

ナショナル・シアター・ライブ on X: "ナショナル・シアター・ライブ(祝)10周年記念アンコール上映が東京・大阪・福岡で開催決定!

ナショナル・シアター・ライブ(祝)10周年記念アンコール上映が東京・大阪・福岡で開催決定!|カルチャヴィル合同会社のプレスリリース (prtimes.jp)

本日の進捗

今日はこのあと、某所で(まったく別件の)ゲネプロの見学会に参加しました。

そんなこんなで、丸一日芝居にどっぷり浸かった日となりました。勉強にもなったし、やる気にもなったし。とても充実した1日でした!

原稿の進捗だけでは表せないものを得たと思います。

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