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デザイナーは次元を行き来することで価値を生み出す職業であるという説

デザイナーはよく定義が曖昧だとされるが、タイトルのこれは広くデザイナーという職業を表せる概念なのではないかと思った。

たとえば、建築デザインなら創造した建物や空間をいったん図面やパース画に落とし、ステークホルダーとの合意をとり建築現場の人々とのコミュニケーションを司るのがお仕事だが、図面やパースに起こす部分が特にコア技能になってくる。これは工業デザインも同じくで、3次元と2次元の行き来をしている。

UI/UXデザイナーは2024年現在では空間を持たないものが多数だが、こちらは言語化された「要件」という1次元情報をレイアウト仕様という2次元のGUIスケッチに書き起こすのがコア技能になってくる。webデザイナーもこのパターンで、1次元と2次元を行き来する。

1次元情報は可搬性に富むが、人間の認知的にはデコードやエンコードの処理に手間がかかるし、デコードの際に人によって齟齬を生じたりしやすい性質を持っていると思う。3次元情報は直接的直感的だが可搬性に乏しい。
そこで時空を超えて関係者の直感的な理解が促しやすい2次元への変換が必要になってくる。

デザイナーはよく創造性がコア技能として捉えられがちな気がするが、もしそれだけならそれはアーティストになるのではないか。
デザイナーは実は1人で創造することは少なく、リファレンスとなる前例があったり、他のデザイナーやプロジェクトのステークホルダーからのフィードバックを常に受けながら一意の2次元の形に収束させていく。このとき副次的に話をまとめるコミュニケーション能力や意思決定力が必要になり、それらのスキルの塊が私たちをデザイナーたらしめているのだと考えた。

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