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犀川のほとりを巡るetc.〜ゴールデンウィークおすすめ金沢散策〜
金沢の中心市街地は、浅野川と犀川の2つの川に挟まれています。
3月には、流れのたおやかな「女川」浅野川を歩きました。
今回は、力強い流れの「男川」犀川のほとりを散策します。
犀川にかかる桜橋の横には、W坂と呼ばれる坂があります。
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今はこのように緑が茂っていて分かりにくいですが、冬にはWがくっきりです。
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そして、桜橋の隣だけあって桜の季節には華やかな雰囲気になります。
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ここで、左手の坂を登っていくと「仁志川」があります。
仁志川(にしかわ) 〜重森美玲のお庭の見られる料亭〜
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2017年から料亭となっています。
建築は、昭和30年代に作られた金沢の名士西川氏の邸宅でした。そしてお庭は、あの東福寺庭園も作庭した重森美玲の庭園です。
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門を入ると、そこには枯山水の波形が見えてお庭への期待が高まります。
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金沢には、日本三大名園のひとつ兼六園もあり、松風閣庭園、武家屋敷跡の野村家庭園といいお庭がたくさんあります。
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これらのお庭、共通点があると思いませんか?
すべて水が大切な要素になっています。
金沢の庭園は、水と調和したものが多いと個人的には感じています。
そこに、珍しい枯山水ということで1度じっくり見てみたいと思っていました。
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いざ中へ入り、席に着くと枯山水が目の前に。
料亭なのでおいそれとは通えませんが、お昼には御膳があります。
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お庭はもちろん、さらに奥には犀川や小立野台地まで見えて、金沢感もたっぷりです。
金沢に何度か来ていて、中心地とは違う雰囲気を味わいたい場合におすすめです。
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隣のカウンターもお庭と景色が見える気持ちのいい空間です。
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2階には、個室があります。建物も欄間が木象嵌
でお洒落です。
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もちろん眺めも。
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先のお庭を見ます。
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不思議な通路の跡ようなものがあるなあと思ったら、その切れ目のところに以前はお茶室があったといいます。
そして、そのお茶室は今でも能楽堂に残っていると。
行ってみましょう。
犀庵(さいあん)
能楽堂は、国立工芸館前にありますが、お茶室があるのは別館のお庭です。
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能楽堂別館の建物は、谷口吉郎氏の作品です。
いしかわ生活工芸ミュージアムの隣にあり、どちらも石川県立美術館として建てられました。
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本題の仁志川にあったというお茶室へ能楽堂の方に案内してもらいます。
※お茶室は自由に見られる場所にはないので、能楽堂へ事前連絡が必要です。
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新緑の中に「犀庵」の額のかかるお茶室が佇んでいました。
犀庵の「犀」は、犀川からとられています。
お茶室の中は、ぱっと見ると網代天井のスッキリした部屋です。網代は、太めでモダンな雰囲気です。
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部屋を見てまわると、いろんな種類の竹や木が使われていて贅が尽くされているのを感じます。
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小窓は、障子を開けると下地窓になっていました。
参考
下地窓とは、壁の一部を塗り残し、格子状に編み込まれた竹などの小舞(下地)をそのまま表に出した窓。
もとは、農家住宅で使われていたと言われ、千利休が茶室に取り入れた。
千利休は、他分野の建築から、躙口(にじりぐち)、土壁、竹の使用も茶室に応用した。
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こちらのお茶室、一般人でも借りることもできるそうなので、茶道を嗜む方におすすめです。
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露地でお茶室の名残を惜しみつつ帰ります。
犀川へ話を戻します。
仁志川から坂を降り、やんわりと、桜橋を渡ります。
橋からは、晴れた日には山がきれいに見えます。
右上にあるのが、仁志川の建物です。
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犀星(さいせい)の道
橋を渡ってしばらくいくと、金沢の三文豪のひとり室生犀星の石碑があります。
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犀星は、犀川沿いで生まれ育ち、犀星の「犀」の字もそこからきています。
石碑に刻まれているのは、犀星の『抒情小曲集』のその六です。
あんずよ
花着け
地ぞ早やに輝やけ
あんずよ花着け
あんずよ燃えよ
(ああ、あんずよ花着け)
※石碑には( )部分はなし
『室生犀星詩集』より
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あんずは故郷金沢を表しているとも言われますが、わたしは犀星自身のことでないかと思っています。
この小曲集は1913年(大正2年)のものです。
犀星は1910年(明治43年)に金沢の新聞社を辞めて東京へ出るものの、それから数年は帰郷と上京を繰り返し、苦戦しています。そのような状況とすれば、これは本人かもという気がしませんか?
石碑のある通りは、「犀星の道」と呼ばれていて、桜の季節には花の雲が楽しめます。
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ここで、3月にはじめて人が列をなしているビルを見つけました。
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ここも、何か気になっていたので、今回行ってみましょう。
HIMITO光水土というギャラリーでした。
HIMITO光水土
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中に入ると、ピールアートのお店で、フルーツの皮で作ったアートだとの説明を受けます。
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いろいろなフルーツの皮
こちらは説明用でしたが、部屋の中は幻想的です。
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天井からは、一面タンポポがぶら下がっています。
部屋には鏡も置いてあって、下を見てもおもしろい光景です。
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一緒にギャラリーにいた観光の人の写る鏡
ピールアートを見ていきます。
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自然のものの力をアートにするというコンセプトなので、ピールのほかに植物のアートもあります。
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外に出ると、オーナーかつ作家さんが集めたタンポポを並べていました。
これまで気がつかなかったので、
「いつから始められたんですか?」
と聞くと18年前から。
またしても、地元民の灯台下暗しです。
最初からこのようなギャラリーだったわけではなくて、自然が好きでいいなと思うものを作ってきているうちに人が見にきてくれるようになってということでした。
中にも外にも、農具がモダンに使われていて、それも驚きでした。
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犀星の道を進んで、犀川大橋を渡ります。
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右に曲がると、雨宝院という犀星の育ったお寺があります。
※現在コロナで内部見学不可なのでご注意ください。
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さらに進むと、犀星の生まれた場所に室生犀星記念館がありますが、それはまた今度。
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左に曲がると、また石碑があります。
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もしかして、犀星の碑がここにも?と思いましたが、「あか〜と・・・」とあり、芭蕉でした。
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この道のすぐ右側に、おもしろい建物があります。
石田屋 犀川店 〜和ポップな建築〜
老舗の寝具屋さん、石田屋さんの犀川店です。
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中に入ると、落ち着いた外観とは違うポップな立体交差空間。
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レンガはよく見ると、数字やアルファベットが。ヨーロッパの工場で使われていたもので、耐火温度でした。味のあるレンガです。
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右の部屋には、商品が大きな一枚板のテーブルに並んでいます。
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2階へ上がると、犀川が切り取られてパノラマが楽しめます。
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建築好きなので、かなりテンションが上がりました。ここも、いつからあるのかと聞くとちょうどHIMITOと同じ頃からです。地元をちゃんと歩こうと反省です。
寝具も見ましょう。
机の上に載っている瓶に入っているのは羽毛です。
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1番左の茶色いものは、羽毛ではないのかと聞いてみると、それが1番いい羽毛でした。アイスランドの「アイダーダック」です。
他と何が違うかというと、密着しやすくて保温効果が高く、羽毛も他のものより柔らかい触感です。
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布団を見せてもらうと、同じ布を使っているのに左のアイダーダックのものは地が茶色なので別の色に見えます。
マス目のサイズも違います。
アイダーダックは野生の育ちで希少品ですが、養殖のガチョウやダックにも、ランクがあります。羽毛専用、食用ほか品種などで分けられています。
羽毛専用の鳥は食べられないのかというとそうではなくて、それらも食べられるということで安心しました。
はじめは犀星の道をしっとりと文学散歩でもと思っていました。
でも、料亭からギャラリーに和ポップな建築の寝具屋さんと色んな要素が犀川の約1キロの間に詰まっていました。
ちょうどゴールデンウィーク。金沢で、犀川のほとり巡りもおすすめです。
参考
室生犀星ーWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%A4%E7%94%9F%E7%8A%80%E6%98%9F
茶室ーWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B6%E5%AE%A4
石川県ホームページ 能楽堂(別館)案内
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/nougakudo/1sisetsu1nope-ji/sisetsu4nope-ji/betsukanannaizu.html
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