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勇気のバトン

製作室の隣の小部屋のスペースを使って
自身の創作物を展示するというスタイルは
今回が、初めての試みだった。

「個展」は、昨年の10月に
ゆりちゃんとの対話の中で
出てきたキーワードで
ゆりちゃんの中には、すでにあったもの。
その場所として
製作室を候補に挙げてくれたのは
彼女のパートナーの、はやちゃん。
これまでの私たちの距離感や
空間としての製作室、小部屋を
知ってくれていたからかな?
そのこと自体も、とても嬉しくて
ぜひ!と即答した。

すでに予定されていた企画やイベント
その頃は、まだ小部屋に
エアコンが無かったこともあり
暑くなる前の5月頃が当初の予定で。

春に、製作室に来てくれたタイミングで
改めて、小部屋を一緒に見てもらう。
写真を撮ったり、構造もチェックしたり。
この空間を、どう彩ってくれるのか?
楽しみで仕方なかった。

今回、製作室というか、私にとって?
もう一つのチャレンジ?があった。
それは、ゆりちゃんに
我が家に泊まってもらうということ。

ゆりちゃんの住まいから製作室が
下道で片道2時間半、ご実家からも1時間弱。
設営と在廊日の兼ね合いから
それが可能か?と
ゆりちゃんが問い合わせてくれたのは
4月の頭、次女の入学式や荷物の対応など
私の役割を終えて、佐賀へ帰る日
岡山から乗った新幹線の中で
受け取ったLINEで。

この家に引っ越してきてからは
母や祖母、娘の友人が
宿泊したことがあるけれど
私の友人が泊まるということは無かった。
受け入れるだけの
余裕がなかったこともだけど
一緒に暮らす家族にも
宿泊する人にも
気を使わせてしまうかもしれないという点で
私の中で、選択肢として排除していた。

春まで一緒に暮らしていた次女は
大学進学で新天地へ。
彼女の部屋を片付ければ
空間として使える。
あとは、旦那さんに相談。
佐賀に戻って、確認し
了承を得て、ゆりちゃんに返事をした。

次女の新居を探す時に
ゲストハウスへ宿泊したことや
(結果的に貸切の部屋だったけど)
長崎で、アルマスさんを訪れたこと
日本各地に拠点があるといいな、と
自分自身も感じたように
佐賀でのそれが、うちであったら?
尾道の紙片さんとの会話の中にも
そしてそこで、迎え入れた
池田綾乃さんの「百年の散歩」の中にも
身の毛もよだつようなヒントがあり
新幹線の中で読みながら泣いた。

誰でも!は、難しい。
ゆりちゃんだったから、出来たこと。
それでも、私も、新しいことに
チャレンジさせてもらって
可能性が広がった気がしている。

設営の日の夜は
同じく姉のように
ゆりちゃんを見守っている
くみちゃんにお願いして
夕飯をご馳走になった。
車で10分程度の距離感も
有り難かったし
何より、信頼する彼女と一緒に
翌朝からスタートする会期の
決起集会のような
いや、そんなに熱いものでは、なく
むしろ、温かい愛で
ほくほく、ほぐしてもらって。

うちに戻り、お風呂を済ませると
ゆりちゃんと二人
横並びのベッドで
お喋りしながら眠った。

朝ご飯は、私が、唯一?得意の?
卵焼きタイプのホットサンドと
トマトベースの野菜スープ。
ちなみに
最終日の朝もサンド、笑
この日は、ベーコン、エッグ、トマト、ピーマン。
とうもろこしと、ブナピーの豆乳スープ。
ゆりちゃんが
何でも、食べてくれて助かった。

最終日。
予告してくれていた人たちも
そうでない人たちも
たくさん来てくれて
はやちゃんは
電車を乗り継いで、駅から
歩いて来てくれていた。
(1台で一緒に帰れるように)

居合わせた皆さんとの
募る話に名残惜しさも感じながらも
撤収して、そのあと2時間半かけて
自宅へ帰る2人のことを思うと
心を鬼にして、笑
18:00で、締めさせてもらった。

小部屋の片付けに取り掛かろうとした時
ゆりちゃんから手渡されたのは
展示されていたものでない花の絵。
込み上げる涙をこらえながら
その花が「thyme」タイムであることを
教えてくれた。
そして、タイムには「勇気」という
意味があることも。
二人で泣きながらハグをした。

ゆりちゃんの、いろんな表情
心情の変化
空間を造り上げる過程
私しか見れなかった
沢山の場面と想い出をもらって
さらに、こんなサプライズまで。

2年前のあの日
「シアワセ」を受け止められなかった私は
今、こうして、そのままを止められることも
嬉しかった。

ゆりちゃんの勇気のバトンをもらったのは
会場を訪れた皆さんもだけれど
私も、だった。

初めて会ったあの日から、ここまでが
走馬灯のように、駆け巡る。
一つも欠けては、いけない。
全てが、ここに繋がっている。

そして、この先も。

また新しい景色を見よう。

1人ででも
2人でも
みんなでも。

勇気のバトンを
渡したり、受け取ったりしながら
持ちつ持たれつ。

そうやって
共に生きていきたい。

「ほぼ姉」という上から目線でなく
隣同士で居られる対等な友達として
これからも、よろしくお願いします!

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