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短歌ビギナー第一歩

1/12(金)
 病院に行く前に、池袋のジュンク堂に寄った。大きな棚にぎっしりと詩集や歌集が並んでいるのを見て嬉しくなる。歌集はきれいな装丁が多くて見ているだけで楽しい。今日は短歌の入門書が欲しかったので色々迷った末に「起きられない朝のための短歌入門」を買う。対談式で読みやすく、「最初の一首の作り方」まで指南されているので、これは良さそう。あんまり入門書の良し悪し(本当に初心者向けに噛み砕かれているかどうか・自分との相性)がわからない私でも読みきれそう(だと毎回思うんだよな)確信したので、カマノレイコさんの絵が飾られている九階のギャラリーをじっくり見てからレジへ。コメダ珈琲に行く。
 買ったばかりの本を読みながら、ビーフシチューとパンのセットを頼む。特段大きくもないサイズでビーフシチュー一二〇〇円はちょっと高い気もしたけど、チーズのかかったポテトサラダにシチューが染みていて美味しかった。ぺろっと食べ終わり、「最初の一首の作り方」のページを読みながらノートにメモを取る。基本的に「心情+景」・「景+心情」が短歌のオーソドックスな形と知り、なるほどそうかもと思いながら、自作の短歌ノート(私のお気に入りの短歌をまとめてある秘蔵のノート。現在三冊目)から、その形で作られている短歌をピックアップし、日常のさりげない描写をどうやって五七五の定型に落とし込んでいるのかを探る。こういう作業ってすごく勉強っぽい。私は今まであまり勉強らしい勉強をしてこなかったけど、今こうやって自分が興味のあることを自分なりに色々学ぼうとするのは楽しいな~と思う。
 そんなことをしていたら病院に間に合わなくなりそうだったので、慌てて上野にある病院まで向かう。急いだ甲斐あって余裕をもって到着し、カウンセリングと診察をつつがなく終えて、薬局で薬をもらう。ここの薬局の近くはあんまり治安が良くない雰囲気で、外国人っぽい人がいつも犬を連れて片言の日本語で募金を呼び掛けている。犬は薄汚れて寒そうに震えていて、潤んだ大きな目で通行人を見つめている。その犬を見ていると居た堪れなくなり、早足で通り過ぎてしまった。電車に乗り、家に帰る。夕飯はバーモント中辛のカレーだった。
 夕食後、あったかい緑茶を飲みながらこたつで再び短歌を考える。上の句と下の句に分けて考えると良いというアドバイスを忠実に守って考えた結果、上下の句を三つほど思いつく。次はそれに沿った残りのパーツを考え、最初の三首が完成。おすすめされていた「心情+景」の形に当て嵌められたのは一首だけだったけど、初めてにしては上々の出来。たしかに上下に分けて考えるのは、一気に丸ごと作ろうとするよりずっと簡単だ。(今日作った歌はこちら↓)
 
 ないものとされて今まで生きてきたどの美談にもぼくらはいない
 
 ペルム紀の魚の図鑑を読み返す神様だってぼくらを選ぶ
 
 かみさまを信じていないせいだろう生まれる前に脳みそに×

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