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1-9.過去問は慣れてよい

■わが足見ゆる

 日々の過ぎるスピードが早く感じられますね。
 「もうこの暑さは要らない」と思っていたけれど、夏終了のお知らせとともに瞬く間に朝夕冷え込むようになり、秋がやってきました。

 毎年この時期になると思いだす、大好きな蕪村の一句があります。

「温泉(ゆ)の底に 我が足見ゆる けさの秋」

 遺稿から見つかったそうです。
 この句が読まれたであろう時期から推測する蕪村は、齢52歳。
 当時の50代。世の中ではどんなポジションだったのでしょうか・・

■いよいよ、社会福祉士国家試験まで105日

 勉強の方ですが、そろそろマークシート実践に移る頃合いです。
 本番3か月前からは、一気にアウトプットへ勉強の内容が移ります。
 大量のマークシート用紙を揃え、とにかくどんな問題集からもマークシートに回答するように習慣づけます。シートをリズミカルに塗りつぶす学習へ移行していきます。
 そんなマークシート勉強については、また後日書きますね。
 (また、とか、後で、が多すぎますね(;´Д`) ごめんなさい)

 今日は、過去問リピート学習をどのように効率的に、かつ知識結晶の味方にするかについて書きます。


■過去問の副産物。1粒で5度美味しい

 働きながらの資格勉強の中盤では、過去問をベースに学習を進める方が多いのではないでしょうか。
 長い学習期間の前半はインプット。参考書や復習問題を解き進め、ある程度理解力をつけたところで、いわば力試し的に過去問に触れていくというコースをたどる方がおおかたではないかと思います。

 その「過去問題集」も様々な形態で提供されていて、
・参考書とセットになったもの
・過去5年分が科目ごとに解説付きで分厚い本になったもの
・問題が分離でき、正答・解説とペアにできるもの
・スマホアプリ
 ほかにも、もっと細かく分類できるかもしれません。

 わたしもアプリと紙ベース、両方の過去問を使っています。
 アプリは便利ですね。こだわらなければ無料で手に入るし、ソートしてくれるし、そこから弱いジャンルの分析もできるし、なんなら時間も計ってくれます。 
 少なくとも10問は毎日ランダム抽出で解くようにしています。

 繰り返し過去問に触れているうちに、出題の傾向と言うか、癖というか、万一正解が分からない場合でも、文脈から正解が導ける出題に気付けるようになります。

■実際の過去問から

 例えば、社会福祉士第31回・問15

【問題】次のうち、社会の福祉水準を測定する社会指標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 .失業率 2 .GDP 3 .消費者物価指数 4 .幸福度指標 5 .財政力指数

 これは、福祉がお金で測れないことが分かれば、自ずとスケールの違う4じゃないかな、と思います。

  第33回・問26では、こんなのもあります。

【問題】福祉政策における資源供給の在り方に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 .現金よりも現物で給付を行う方が、利用者の選択の自由を保障できる。
2 .バウチャーよりも現金で給付を行う方が、利用者が本来の目的以外に使うことが生じにくい。
3 .日本の介護保険法における保険給付では、家族介護者に対して現金給付が行われることはない。
4 .負の所得税は、低所得者向けの現金給付を現物給付に置き換える構想である。
5 .普遍主義的な資源の供給においては、資力調査に基づいて福祉サービスの対象者を規定する。

 まず「バウチャー」って何?と思考が止まってしまいますが、気にせず進めます。
 1は単純にお金のほうがなんでも買えるので却下。
 2はバウチャーを知らなくても、1でお金のほうが自由度が高いとなるので却下。
 3は保留(ケアマネさんはすぐ分かるけどココは保留)。
 4「負の所得税?」と、また思考停止しますが、きっとあれですね。バカボンのパパ的な「賛成の反対なのだ」という錯綜目的の問題? かは置いといて・・給付の種類を置き換えるだけなので、負にはならないと読みます。よって却下。
 5は「普遍」と「~に基づいて規定」が相容れないので却下。

 3については、「日本の」と問われている点で気をつけましょう。
 さらに、日本以外の国で介護保険制度のある国が2つ(あるいは3つ)浮かべば、この問題も自ずと他の文章から3を選択できると思います。


■よく聞かれる悩み

 ところが、過去問に対する熱意がある時期から冷め、早々に次のステップに進んでしまうケースがあります。
 そのような人から聞かれるのが、

「答えを憶えてしまったから」

 問題文の前半に目を通しただけで、その後の質問を記憶してしまい、正解を瞬時で見つけることが出来てしまうというものです。
 実際、わたしも過去問を繰り返すうち、そのような問題をいくつか意識するようになってしまいました。

 ではその場合、件の設問は学習から外してよいかというと、決してそうではありません。

 正解をより際立たせるため、他の4つの不正解の理由を抽出することが重要です。要するに、憶えてしまった選択に箔をつけるわけですね。
 なのでこの「問題憶えちゃった」時期が訪れても、安易に過去問を卒業してはいけません。


 結論。
 過去問は憶えてしまっても、慣れてしまってもよい。
 むしろ、そうなってから学習の差はどんどん広がる。

 資格勉強の熟成期を迎えるこれから、過去問卒業を決める前に、今一度捨てようとしているその選択肢を拾い、解釈を与えてみてください。
 必ず、後々の知識習得に力がつきます。

 知識の吸い上げ度は、数字には表れない結晶となって蓄積されます。

             * * *

 今回は、露天風呂の画像をお借りしました。
 秋の旅路・・温泉旅行に出かけてみたいな。


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