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100年以上読みつがれている本たち

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100年以上読み継がれている本の紹介です。
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記事一覧

サン=テグジュペリ『人間の大地』/死ぬことが少し怖くなくなった、その理由

「いい本」とは何だろう、と考えた時に私がいちばんに思うキーワードは「自分にはない新しい視…

makicoo
1年前
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夏目漱石「草枕」/絶望の中での生きる智慧

『少女ポリアンナ』という、世界名作劇場でアニメにもなったエレナ・ポーターによる児童小説が…

makicoo
1年前
6

ミル「自由論」(1859)/SNSの使い方に関する19世紀からの提言

夜寝付けない時には難しそうな本を読む。今回読んだミル「自由論」もKindle Unlimitedで読める…

makicoo
2年前
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プルースト「失われた時を求めて」(1913-1927)/紅茶とマドレーヌ、そのかわりのヴァイ…

2022年の目標のひとつに世界でいちばん長い小説、プルーストの「失われた時を求めて」を読むと…

makicoo
2年前
12

ダーウィン「種の起源」(1859)/誰もが貴重な存在であるその理由

1月に読んだ本の中でダントツで良かったのが、ダーウィンの「種の起源」。ダーウィンの進化論…

makicoo
2年前
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ドストエフスキー「貧しき人々」(1864)/不相応な恋心に寛容である生きやすさの話

とあるラグジュアリーブランドのファンで、長持ちする小物やバッグは、なるべくそのブランドで…

makicoo
2年前
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世阿弥「風姿花伝」(1400)「花鏡」(1428)/この先の人生、ただただ向上進歩するのみ

2022、仕事初め。12月23日からほぼ会社PC開かず、だったので、頭に入っていたはずの曜日毎のなんとなくのスケジュールがしっくりこない。 頭が働くようになるまでの作業として、12月のランチ代の請求書(弊社はランチ代の補助が出る)をひたすら社内の経理システムに入力して、少しづつ勘を取り戻す。 4歳から18歳までずっとバイオリンを習っていた。先生から口酸っぱく言われていたのは、1日練習を休むと取り戻すのに3日かかる、2日休むと取り戻すのに1週間、ということ。 その時は何と大げさ

ショーペンハウアー「読書について」(1819)/100年経っても読まれる本

2021年は180冊、本を読んだ。その中で読んでよかった本ベスト5を考えてみたところ、こんな感じ…

makicoo
2年前
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ワシントン・アーヴィング「スケッチブック」(1820)/後悔しないためにできること

夫が3日間高熱を出した。 2晩目にいたっては熱が下がらないどころか41度を記録。ワクチン2回…

makicoo
2年前
13

鴨長明「方丈記」(1212)/ 比較して得る幸せ

彼と私は違うところが多くあるのだけど、そのうちのひとつが「比較」の頻度だと思う。私は昔か…

makicoo
2年前
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ワシントン・アーヴィング「スケッチブック」(1820)/東京と地方の、そして19世紀の格…

この日は前から予約していた近くの民間学童の説明会へ。せっかちなのでいつか必要になるなら早…

makicoo
2年前
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ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟Ⅰ」(1880)/「今」の行き着く先にもっといい世…

今日は保育園が縁で知り合ったおうちの子を我が家にお呼びし、その後公園へ。相手の子もうちの…

makicoo
2年前
7

夏目漱石「門」(1910)/悟れないと知ることが悟ることの第一歩

今の会社に入って前職以上に感じるのが自分のいたらなさ。英語力はもちろん、ロジカルに持論を…

makicoo
2年前
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ショーペンハウアー「読書について」/自分の言葉で話すということ

池上彰さんの講演会に出られた方が、池上彰さんが強く推薦していた本、と教えてくれたのが、このショーペンハウアーの「読書について」。連休中に一冊、ちょっとアカデミックな本を読もうと思って、手にとった。 まず冒頭の 「いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜呑みにした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある。」 という言葉に、がつんとやられた。私はどこかで「たくさん本を読んできた」ということを鼻にかけて、世の中を知った気にな