夏をさます
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Perch.のお手紙 #145
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夏が押し寄せてくる。
冬は忍び寄ってくる。
秋は現れる。
春はある日そこにある。
そんな気がする。
夏はどっという勢いで、迫ってくる。
いつの間にか飲み込まれてしまう。
押し流されてしまう。
そんな力強さに押し倒されるのは結構気持ちが良い。
夏の日のアイスコーヒー。
アイスコーヒーは、一手間かかるけれども、私は水出しが一番おいしいな、と思っています。
元々紅茶派で、お店を始めてから、それまであまり能動的に考えたことのなかった「コーヒー」について知ることが増えた。
淹れ方を研究して、自分のおいしいと思うコーヒーとは、を1〜2年くらい探していました。試行錯誤を経て、今は大体自分がいいなぁ、と思えるコーヒーを淹れられる様に。
いつでもどこでも自分がいいな、と思えるコーヒーを淹れられる、というのは、あやふやなことが多い人生の中でかなり頼もしいな、と思っています。
温かいコーヒーが好きなので、アイスコーヒーを進んで飲むのは年に何回かしかありません。その代わり、その数回はとびきりおいしいものを飲みたいと思っています。
冷たいコーヒーなら断然水出し。COLD BREWと呼ばれる淹れ方がとびきりです。
コーヒーは抽出の際の水分の温度が上がれば上がるほど苦味が出るそう。
冷たいお水でいれると苦味の少ない夏空の様にすっきりと気持ちの良いコーヒーが出来上がります。
お水で抽出をするので、お湯で作る時に比べて時間はかかるし、お豆の量もたっぷりと必要なので、とても贅沢な作り方。
アトリエでもこの淹れ方でお出ししていて、「アイスコーヒーがとっても美味しかったんですが、どうやって淹れてるんですか?」とご質問頂きます。
作り方を説明すると、ちょっとお家で作るのには手間がかかりますね、と。
この間珍しく私1人きりだったアトリエで、豆を挽いて、パック詰めして、パッケージを描いて少しだけ作った水出しコーヒーの2回分パック。
誰かの夏の日をさませたら嬉しい。