女子会の行方
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Perch.のお手紙 #97
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命がけでお布団を干してくれたお話で有名な祖母が、来週から施設に入ることに。
孫の私たちには急なお知らせで、コロナが落ち着くまでは面会に行くことができないらしい、自由に電話ができないらしいから携帯電話も解約するらしい、という連絡を、昨日妹ようちゃんから受け取りました。
会えるとしたら今日しかないらしいから、と今晩はおばあちゃんのお家にお泊まりに行くことにして、さっき銀座のデパートで、おばあちゃんの大好物のまぐろのお鮨やピンク色のケーキを奮発して買ってきた所。
90歳の真ん中を過ぎるまで、おじいちゃんが亡くなってからも1人でしゃんと生活をしていたのだけれども、最近めっきりと生活がしにくくなってきた様子を感じていました。
携帯電話の操作方法が分からなくって、よく間違い電話をかけて来るおばあちゃん。
つい先日も早朝に電話がありました。
かかってきた電話に、自分がかけたように「あやちゃんだよー。おばあちゃん元気ー?」と話しかけます。
「あやちゃん、久しぶりだねー、元気ー?」と、最近通い始めたデイサービスのことを話してくれました。
朝お家までお迎えに来てくれて、着いたらすぐにお風呂に入るんだよ、と。
お風呂は1人ずつなんだけれども、男の人が頭を洗ってくれて、後は自分で洗いなさい、って言われるのよ。おばあちゃん、最初はびっくりしちゃって。
恥ずかしくって、恥ずかしくって。
後は座っているだけで、なんだか退屈なのよ、飽きちゃうわよ。
けどね、コーヒーを淹れてくれて、おやつなんかも出るのよ。
って。
おばあちゃんはさっき話したことを忘れてしまったのか、その短い朝の電話の間に、もう1度お風呂の話をしてくれました。
ケーキを買う時に、メッセージのプレートを乗せますか?
と聞かれて「おばあちゃん、だいすき♡」と書いてもらいました。
誰のお誕生日でもないけれども、赤いろうそくもつけてもらいました。
美容にもおしゃれにも、今でも好奇心いっぱいのおばあちゃんとの夜ご飯とお泊まりを、私たち姉妹は「女子会」と呼んでいて、1番女子力の高いおばあちゃんが抜けてしまうとなると、残された姉妹2人の会は、一体なんて呼ぶことになるんだろう。