いつかの朝 バンクーバー

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Perch.のお手紙 #128

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今朝もカモメが鳴いている


ケウケウケウ


バンクーバーは海に囲まれた街なので
明け方になるとカモメたちの鳴声が聞こえて
そろそろ夜が明けることを知らせてくれる


まだ暗くて時差ぼけの頭で
果たして今が夜に向かっているのか
朝に向かっているのかわからない一瞬も
カモメの声が慣れないベッドの中の私に朝が来ることを知らせる


カモメの鳴声で始まる街で暮らす人たちの1日はどんなだろう
一生はどんなだろう
と考えてみる


旅先で
引越した先で
ふとカモメの声の聞こえない街に起きたとき
何を思うだろう
と考えてみる


カモメのいない街に帰ってきた


朝目を覚ますと、耳の奥で残響の様に
カモメの鳴く音が聞こえる


ケウケウケウ


バンクーバーの朝はカモメ