読書のすすめ
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Perch.のお手紙 #99
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ゴールデンウィークはじまりましたね。
わくわく。
私がお休みにしたいことと言ったら、読書、読書、読書。
後はプールがあれば言うことなし、です。
今日は最近読んだ中で、おすすめのもの本を紹介しようかなぁ。
『母親になって後悔してる』オルナ・ドーナト
このタイトルを見たとき、衝撃と共に、「あー、こういうことが何のハードルもなく普通の声で、フラットに語り合える世界になったら、世界はもっといいだろうなぁ。」と。
イスラエルの研究者である著者による、質的な研究をベースにして出された2016年の作品。今年やっと日本語でも出版されて、論文調の文体なので少し読みにくさはありますが、とってもおすすめの1冊です。
フェミニズムを超えて、私という個人に帰属しているように思える「生きにくさ」は、果たして、社会の無意識の構造によるところが大きいのかもしれないのだ、と思い到るお話になっています。
世界の底が気持ちよく抜けて行くような、新しい世界がちらりと顔を覗かせてくれるようなそんな読書体験でした。
時間のたっぷり取れる連休にとってもおすすめです。
『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ
旅に出ることが出来なかった近年、遠い街のエキゾチックでスパイシーな香りが本から漂っているんじゃないかしら、と思えた1冊。
両親がカルカッタ出身のベンガル人、ロンドン生まれ、2歳で渡米、現在はイタリア在住の著者。自分の生まれた場所、どこで生きて暮らすのか、マジョリティ、マイノリティのこと、について考えます。
生まれた場所や見た目を超えて、「自分って誰だろう?」「自分って何だろう?」って考える時間。
短編集でとても読みやすくって、旅のお供にもおすすめです。表題作の衝撃。
私はイタリア語で書かれた『わたしのいるところ』を最近買ったので、この連休中に読めたらいいな、と思っています。
『満ちる腕』伊藤紺
こちらは歌集。小さくて、甘くて、苦くて、おいしいお菓子、のような作品。
人生にはおやつの時間が必要だよね。
読書における、ビタースイートなおやつの時間。
歌集は繰り返し読めるのがおもしろいな、と思っています。
その時々の自分に出会える時間でもあります。
読書って、いいものですね。
ふふ。
ハバナイス、ゴールデン。