My small Oxfam

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Perch.のお手紙 #114

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ウクライナへのロシア侵攻がはじまってからお店の一角に小さな募金コーナーを作って、ウクライナの人参ケーキを焼いたり、スタッフみんなが不要な食器や雑貨なんかを持って来ては並べてくれて、売れた分の全てをUNHCRに寄付しています。


私がしばらく住んだイギリスでは、人々は物を長く大切にする習慣が社会全体で染みついていて、早々簡単には捨てません。週末のマーケットでは「こんな物一体誰が買うんだろう?」とか「なぜこれを取っておこうと思ったんだろう?」みたいな物で溢れるストールをたくさん見かけました。


最初に暮らしたオックスフォードの街で「Oxfam」というリサイクルのお店によく行きました。長くそこに暮らす訳ではない留学生たちは結構御用達にしていたんじゃないかと思います。何か欲しいものがあると、とりあえずOxfamを見てみようかな、と思ったものです。


調べてみると単なるリサイクルショップだと思っていた「Oxfam」はチャリティーショップで、寄付された物を主にボランティアのスタッフが運営して、収益で慈善活動を行っている、ということがわかりました。


物は捨てずに長く使えて、安くお買い物もできる上に、困っている人の手助けをほんの少しだとしても出来るこの仕組みを知った時、私はとても感動しました。


その後訪ねた、どんな小さな街にも、どんな大きな街にも、Oxfamはありました。
根づいているんだなぁ、と思いました。


イギリスで街を歩いていると「BIG ISSUE!!」と大きな声で、ZINEのような冊子を売る人をよく見かけました。


こちらも調べてみると、販売をしている人はホームレスの方で、「THE BIG ISSUE」という雑誌を自ら仕入れをして、販売することで利益を生んで、社会的な自立を助けるという仕組みであることが分かりました。


それまで、お金だけを一方的に払う募金の形について、自分の中で落とし所が見つけられずに躊躇があったですが、その仕組みを知った時、これだ!これなら買える!と思ったのを覚えています。

日本でも活動が展開されていて、今でも見かけたら必ず買うようにしています。


オックスフォードの街で勉強をしていた頃、私は単なる英語を勉強するパートタイムの学生だったけれども、住んでいたオックスフォード大学の社会人寮で出会う人たちの多くは、自分のプロフェッショナリティー(例えばお医者さんだったり、例えば起業家だったり)のファーストキャリアを元に、それを使ってよりよい社会の仕組みを作ったり、社会によりよく還元したいと勉強をしなおしている人たちでした。


世界のトップの叡智が、そういうことに注がれていることに深く深く感銘を受けました。


物を捨てないこと。自分の恵まれた環境や状況を普通だと思わないこと。感謝すること。
自分以外の誰かのことを考えること。ほんの少しでも自分の日々の中でそれを行動に繋げること。


私がイギリスで学んだこと。


そろそろ新しい勉強をしたいなぁ。