旅の前の夜のキッチン

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Perch.のお手紙 #137

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ぴったりだ。気持ちがいい。

夜にお弁当を詰め終えて、疲れが消えて行くようだった。


久しぶりのスキー旅行の前日、試作続きだった1週間を終えて冷蔵庫には食材が満載だった。すぐに食べなくても良いものや冷凍できるものを除いても、整理して旅立ちたい。

ぐったりと帰宅したのは夜の8時。翌朝の東京駅の集合時間は5時50分。

こんな時「いける」と思ってしまうのは、良い癖か、悪い癖か。

まずは食パンをなんとかしなければ。冷凍した食パンは好きではない。卵がある、そしてやっつけるべきレタスもある。そして明日のメンバーには卵サンド好きもいる。

鍋を火にかけて固茹で卵を作る。冷たいお水にレモンを絞ってレタスを放つ。パンに端々までマヨネーズ。片面にはマスタードをうっすらと。卵をフォークでザクザク潰して、マヨネーズ、お塩。味見をして、ハニーマスタードを少し。レタスの水をしっかり切ってパンに敷き詰めて、卵サラダはもう片方のパンにたっぷりと。

2つを合わせてラップできっちりとくるんだら、冷蔵でしっかり冷やす。

詰める直前に3等分に細長く切ったら、フワフワでやわやわのサンドイッチも食べやすい。

旅の朝はごはんも食べたい。


試作の残りのタンドリーチキンと手揚げのふかふか油揚げを細かに刻む。楽チンに麺つゆで味をつけて炊き込みご飯に。炊き上がりの湯気の中に絹さやを放り込む。冷めてもおいしい隠し味はケイパーの塩漬け。

俵型と小さな丸型。2種類の大きさは、お腹に合わせて食べられるように。

撮影のために仕込んだ餃子の具は肉団子に。お醤油とみりんの香ばしいたれを絡ませる。試作のトマトハリッサの肉じゃがはそのままで。

準備したものをこれまで何万個と詰めた使い捨てのお弁当箱に順に詰めて行く、21時半。

何をどれくらい、どんな風に詰めたらいいか、どんなに疲れていても分かる。

ぴったりと、きっちりと詰まったお弁当は気持ちがいい。旅の前の夜のキッチン。