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質的研究を学ぶ場

#note100本ノック
本日は4本目です。

大学院の勉強会に参加しています

修了した大学院で、在学中に始まった質的外国語教育の勉強会に今も参加させていただいています。もう2年くらいになるかな、今回で38回目になります。

始まったといいますか…当時M2だったわたしとM1の現職院生さんで、先生に「質的研究を学びたいから教えてください!」と熱望して始めていただいたというのが正確な経緯です。

課題図書

勉強会では課題図書や論文を先生から提示していただいたり、院生から提案したりしてそれをみんなで読み進めながら自分の実践や研究に照らし合わせて学んでいきます。まさに理論と実践の往還。

前回からの課題図書は、こちら。
太田裕子(2019)『はじめて「質的研究」を「書く」あなたへ』.東京書籍

筆者が早稲田大学大学院の院生を対象に行ってきた「質的研究方法入門」「質的研究法」という授業をもとにした本とのこと。

これが秀逸な構成で、授業で扱われたワークも散りばめられていて、どれも本当に学びになります。というのは、わたしは大学院在学中にもっと質的研究を学びたかった、学ぶ場がほしかったと思っているからかもしれません。

質的研究を学ぶ場所がない

わたしは大学院に進学するまで、「質的研究」というものに出会えませんでした。量的研究と質的研究の違いもよくわかりませんでした。

M1で自分の研究について考えていたころ、どうしたら自分の関心を解き明かせるのかが全く分からずとても苦しんだのですが、今思うと、この質的アプローチについて知らなかったことがその苦しさの要因でした。

わたしが修了した大学院の英語教育SPでは、数年前に教職大学院になったタイミングで質的研究の授業が必修ではなくなりました。研究法の授業のなかで扱うという趣旨なのかと思いますが、外国語教育分野では量的研究がほとんどのため、研究法の授業のなかで質的研究を十分に学ぶことはできませんでした。

選択授業で取れたらよいのですが、選択で取れるものも今はありません。

この質的アプローチは、特に日本の外国語教育の分野では諸外国に比べてとても遅れているのが現状なようです。理論と実践の往還をうたう教職大学院ならばなおさら必要な学びだと個人的には感じるのですが…。

なぜなら、現場での実践を経て大学院に入学したいわゆる「現職院生」の同期や後輩たちは、自分の現場での実践を明らかにするには質的アプローチが必要だと考える人がとても多かったからです。

記述や発言といった、その子ども自身を見取るには、数値のみのアプローチでは限界があると思っています。


質的外国語教育勉強会

この勉強会への参加は任意ですが、大学院の准教授がご指導してくださいます。お忙しいなか、この2年間、時間を作り続けてくださっています。日本の外国語教育に質的研究をもっと広めたいという先生の秘めたる想いを感じています。

わたしは大学英語教育のかたすみでひっそりと教壇に立ちながら、質的研究で日本の外国語教育そのものやそれに携わる先生たちを元気にする研究ができるようになりたい、とひそかに思うまだまだ駆け出しの研究者です。

大学院の勉強会という立ち位置ではありますが、質的研究や大学院に関心がある方々の参加も受け入れています。ご興味のある方、いらっしゃいますか?

今日は、質的外国語教育研究への想いを語りました。

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