Life is exciting
バスの入ってすぐ右の席
停車場を示す看板のようなものが入ってる箱の場所に座ってしまった。
箱が肩に当たって乗り心地は最悪。
いろいろ工夫して肩にフィットするように座ってみる。
例えば箱と肩が直角になるように意識してみる。
何もしてないのにキャミソールだといつも左の肩の紐が下がってハラリとなるのが嫌。
いつものありふれた景色で、
座っている席とは反対側から鴨川デルタを一瞥。
観光客多くなってるなぁ。
なんて、もうかれこれ大学で京都へ出てきて半年程度だが
京都市民ぶっている。
四条に近づくにつれて混み合う車内。
それでも平日の午前中だからまだ少ない方である。
本日私は生理が3日目で、昨日は生理痛が激しすぎて自宅で死んでいたためバイトも行けなかったが、なんとか薬のおかげで今こうしてバスに乗ることができている。
半分勢いで入ってしまったサブスクのピラティスに通うため、
3日目の不安を纏いながらも、バイトがない日のため街に出ることにした。
最近特に街中は自転車の撤去が激しいため、バスで出かけてみた。
AirPodsを耳にしているが、なにかたいして聞いてるわけではない。
むしろこうして、さも音楽を聴いているふりをしながら、隣の人の会話をひっそりと聞く陰湿なタイプである。これぞ極上のオーディブル。
三条河原町に近づくころ、今日は何だか自分にご褒美を贈りたい。
洒落たことをしてみようという気分になった。
昨日しんどいことがあった人間は、次の日大胆な行動に出やすい。
バスを降りて1時間しっかりピラティスを行った後、
時計はもう12時を指し示すころだった。
ランチタイム混むかな。
ワークアウト後は内腿が痛かったが、三条のBALビルへ駆け込んだ。
急いで6Fのロンハーマンカフェへ。初めての場所で少々緊張気味。
店員には聞かれる前に1人ですと言うタイプ。
このランチタイムに並ばずにすっと入れたのも少し浮かれた。
席についてメニューを見ると
なんか洒落すぎて何頼めばいいのやらわからないな
と思ったが今日はご褒美の日ということを忘れてはいかんのだ。
とメニューをまた見る。
タコスが気になったのでタコスとアイスミルクティーを頼んでみた。
待っている間に吹き抜けの天井をあおいで、
ああ、なんて優雅な一日だと満足した。
しかしタコスが来てとても後悔した。
タコスが映えているもんで、映え重視なもんで、いやそれともこういうたべものなのか、とても食べにくそうだからだ。
私、タコスのスマートな食べ方を知らない。
とりあえずタコスの皮を折り曲げてほうばるのだが、パクチーやら紫キャベツやらがボトボト落ちる。
右のマダムたち、左の私とタメくらいの女子大生たち、お願いだからこっちをみないで!
一生懸命涼しい顔をして食べた。
美味しいのだが、結局箸で野菜たちを食べている。焦って食べていたところ、牛肉が歯に詰まってしまいもう味どころじゃない。
頼んでいたミルクティーが来た。ちょうど口の中が辛かったので好都合だった。チリの味が柔和される。
ふと見ると
ミルクティーに敷かれていたコースターにこう書かれていた。
LIFE IS EXCITING
今の私には良い教訓である。
左の女子大生たちのメニューが来た。
店員さんが
「タコライスです」
と言って1人の女子大生の前に置く。
タコライスあったんだ。。。そっちの方が食べやすかったよな。
そう思った矢先
キャミソールの紐が両肩から下がった。
でも今はこのコースターに救われてた。
あんなにうざかった肩紐ハラリでさえ、嫌な気持ちにはならなかった。
日々のほんの小さいことも浮き沈みで考えられる。
その価値観って本当はいいよな。
めんどくさいのかもしれないけど、小さいことにも喜べるってことじゃん。
アイスミルクティーをゆっくりめに飲み終えた私はカフェを後にし、
人生で一番綺麗なトイレがこのフロアにあったことに感銘を受けた。
私はわたしなりに、日々小さなエキサイティングの重なりで生活を豊かにしていくのだ。