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仕事に人生を盗まれてはいけない

気が付けばいつもズレていた


この夏にフリーランスで25年間続けていた仕事を辞めた私。
今年は花火とか、旅行とか、今までにないぐらいに夏を楽しめた気がします。
どうしてだろう……とぼんやりと考えていたら……

「私は仕事に人生を盗まれていたんだ」、とハッとした。

なにも誘拐や拉致をされていたわけでもなく、自分の意志で働いていたのだけど、私の仕事人生はいつもズレていた気がするのです。

女性誌で働いていたので、決まって企画はいつでも先取り。
クリスマスのプレゼント特集を撮影するのは暑い夏の時期だし、
コートを着る季節には海外で水着の撮影、
雛あられを食べながら、夏のサンダルの撮影をしていたり……

それでいて、実際に水着を着る季節は決まって忙しく働いていたから、どの季節のどの行事や楽しいことにずっと不参加だったのです。

気が付いたらみんな自分の人生を進めていた


そういえば……人生を思いっきり楽しんでいる人たちを、私はずっと羨ましく思っていたような気がします。

自分のキャリアを必死で追いかけるあまり、
「楽しむ」なんていつも後回し。
みんなが休暇を取っているときに忙しく働いていたし、
みんなが寝ている時間にも働いていたなぁ。

まとまって休みが取れる時期は、友達は会社で働くという日常生活を送っていたから、一緒に旅行なんて行ってくれる暇なんてない。
だから一人海外で過ごしたり、休まずに働いていたり……。

そんな風に人生を送っていたら、いつの間にか私も30代も終わろうとしていて、
周りのみんなが結婚をし、子供を産んで自分の家族を築いているのに気付いて呆然とした。
「いつの間にみんな人生の駒を進めていたんだろう……」って。

大人になると、仕事=人生


一般的に人は週5日、起きている時間の大半を仕事に費やしています。起きて会社に行く準備をして、通勤。そして帰って翌日の準備をして寝る。
仕事というオフィシャルな場で良い状態をキープするために、休日にヘアサロンやまつエクに行ったりもする。
リラックスしたり、ご飯を食べたり、友達や彼氏と遊んだりする「楽しい時間」や「自由な時間」は、意識して作らないと簡単に仕事に乗っ取られてしまいます。
そう考えると「仕事がつまらない」=「人生がつまらない」ということになりかねません。

ライターになり立てでいろんなことを吸収しながら働いていたころは、とにかく夢中で
・友達と遊べない
・夏は忙しくて旅行なんていけない
こんなことを思う暇もありませんでした。

その時は友達と遊んだり、海やプールに行くよりも、単純に仕事=人生に夢中だったんだと思う。

でも、次第に「あれ?……なんか違う……」と仕事に疑問を持ち始めるようになってからは、仕事というか人生そのものを楽しめていなかったんだろうなぁ。

人生は仕事以上に大切なことだらけ


好きなことを仕事にするのもそうだけど、「仕事自体を楽しんでいる」という状態は、人生の幸福度を上げるためにはとても大事なことだと思うのです。

キャリアのために……
お金のために……

自分が決めた目標のために我慢して高みを目指していくことこそが正義と信じてきたけど、やっぱり人は自分の中の「好き」や「楽しい」という気持ちに嘘はつけない生き物なのだと思う。

だからこそ違和感や疑問が浮かぶたびに、立ち止まったり、自分の心に耳を傾けたりしながら自分の人生を俯瞰してみてみることが必要なんでしょうね。

きっとあのまま仕事を続けていたら、体にもダメージが出ていたと思うし、メンタルだって限界だったはず。健康や自分の気持ち以上に大切なモノなんてないんだから、心の声を見ぬフリなんて絶対にしちゃいけない。

せっかく四季やたくさんの季節の行事も多い日本に生まれたのだから、
それを楽しむ余裕もないぐらい仕事に人生を盗まれてもいけないし、
自分の心に敏感でいようと思う。

この歳になってようやくそれに気づけたんだから、これからは自分の人生を思いっきり楽しんでみようと思う。
だって、それ以上に大切なことなんてこの世にないと思うから。

では、また明日。

西村真紀


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