上司がキャリア支援をできるのがいい?
勤務先でキャリア支援の部署が廃止されてそろそろ1年になる。
直属上司がキャリア支援をできるようになるべきだかは、専門の部署はいらない、という判断だったらしいのだけど、廃止になったまま、その後組織職の方に向けての取り組みが増えているわけでもないようで、ずっともやっとしている。
以前と変わらないまま、トレーニングとかもないまま、なんならキャリア支援をできるようになるべきって通達や指示もないまま、できるようになるもんじゃないじゃん?
誰でも何もしなくてもできるようなものだったら、そもそも専門職は必要ない。
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確かに、直属の上司だったら部下の業務の調整なども可能だし、部署としてのミッションや期待する役割などは明確に伝えられることが多いだろうとは思う。
そういう点においては、支援しやすい状況ではある。
一方で上司が部下のキャリアをじゃましてしまうという話もよく聞く。
マネージャーにとっては、部署の管理とか部署のミッション達成とかが必達だったりして、メンバーが抜けたりすると困るから、やりたいことがあっても異動を引き留めるとか。
ずっと同じ業務を任せていることで、伸び代奪うこともあると思う。
支援する相手の業務を知ってるからといって、部署内でのキャリアは考えやすいかもしれないけど、キャリア全般を考えるのには関係ない。
やりたいことを引き出せるわけではなく、能力を伸ばせるわけではない。
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それに、上司だからって支援するスキルがあるわけじゃないし、聴くスキルが高いわけじゃない。
もちろん、組織職になる際に研修はあるはずで、最低限の聞き方とかは学ばれているはずだけど、相当個人差あるし、聞けてないというか聞く気あるんかなってくらい話聞けない聞き出せない方だっている。
意識して変わることもあるし、学んだりトレーニングしたりでも変えられるけど、そんな機会がなければなかなか変わらない。
キャリアコンサルタントとかカウンセラーとかコーチとか、対人支援の仕事をする人たちは、資格取るときだけでなくて、アップデートし続けてるし練習してるし、専門職としてやるだけの労力も時間も費やしてるよ?
もちろんそのレベルを求めるわけではないだろうけど、ちょっと聞き方の基本知っておけばできるみたいな話じゃないんだけどなぁと思う。
それ以上に課題だと思うのは、「キャリア支援」というものがどういうものか、何をするのか、ってことが伝わっていないだろうということだ。
会社内だけのキャリアの話をするとしても、そもそもキャリアってなんなのか、支援ってなんなのか、って知らないままに、どれだけの話を聞けるのだろう?
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キャリア支援って仕事の相談ができることとは違うのだ。
あくまでも、その人が、自分で自分のことを考えて決めるのを手伝うというだけ。
だから、業務のことを知ってるというのは、アドバンテージになることもあるけど、アドバイスしたくなるとかアドバイスを期待されるとか、ハードルになることもある。
もちろん、人によるし、直属の上司だからといって支援に向いていないわけではないけども、直属上司がキャリア支援できるのがいいって言ってしまうのもなんだかなと思っている。
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