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体も心もスカスカな日々を支えてくれた、年2回の元気の源

「何が食べたい?」
「何でもいいけど、家で食べたい。」

独身時代、帰省する前の毎度のやりとり。「何でもいい」が困るのは分かっていても、本当に何でもいい。母の料理を食べられるなら何でもいいのだ。

仕事が多忙を言い訳に99%外食生活を送っていた社会人生活10年。途中、会社の先輩方から

「まきちゃん、コンビニ生活だけは辞めなさい。」
なぜ良くないかの説明をコンコンと受け、強めにアドバイスを頂いた以降、コンビニ生活を辞めた。選択肢が一つ減っただけで、変わらず「外食」続きなのは変わらなかった。

「そろそろお米だけは炊いて」
母からの催促。実家でできたお米を毎年送ってくれるのだが、自炊を全くしないため、お米が減らない。虫が出てくるし早く使いなさいと催促されて、やっとこさ炊き始める。レトルトカレーと共にお米を消費。 

「まきさーん、焼き肉行きましょ」
肉食女子の集う会社。焼肉は誘う相手を選ぶそうで、なぜかいつも後輩に誘われる私。月2で焼き肉をたらふく食べても胃もたれしない若さがあった。

「お肉食べると元気出る~」と口にはしていたが、体中にしみわたるエネルギーはない。いつもよりは元気、という程度。


不摂生している私は年に2回、エネルギーチャージできる場があった。それが実家であり、母の手料理。家にあるものでいいの?!と言いながら作ってくれる料理のすべてが美味しい。

夏に帰ると、まずはだんご汁。夏のかぼちゃは甘みが強く、かぼちゃとだんごだけで作れる郷土料理。子どもの時からの大好物で実家に帰ってきた!とホッとする。

今は自分でつくるだんご汁

ナスにピーマンにパプリカ。夏は色鮮やかな野菜たちがピザになったり、おひたしになったり。

八百屋さんかのような贈り物

早朝から魚市場に行って、これまた大好物のカニ(オス)を仕入れてくれたり。

大好物の渡り蟹!

冬はまたカニ。夏と違って紅いマコのつまったメスのカニが最高。他には鍋に揚げ物。

朝にはパンを焼いてくれて。1回1回食事をする度に、体に力が入っていく。

パン屋さんのレベル感になっていた母


食べては寝るを繰り返す数日間。エネルギーチャージ完了したら、仕事という名の闘いに戻る。

それから10年経った今、会社員をやめてのんびりすごす日々。母ほど料理はできないけれど、今は私がチャージする番。エネルギーを満タンにしてほしい夫と、常にエネルギー満タンな娘の成長のために食事をつくる。

「何がいい?」とはまだ聞けない。だって作れるレパートリーが限られてるから。

いつの日かいつの日か。「何でもいい」と言われても、エネルギが満タンになる愛情いっぱいの料理で、近くの人をチャージしてあげたい。


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