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初めてフランス人に髪を切ってもらった

移住後、初めてフランス人美容師に髪を切ってもらったので記録しておく。



多民族文化のパリ

パリを歩いていると、日本のコンビニレベルでブーランジュリー、カフェ、美容室がひしめき合っているなぁと感じる。移民の多い国なので、各人の性質や趣向、信仰に応じたサービスが必要とされるのだろう。それを考えると日本はほぼ同一民族しか暮らしていないにも関わらず、美容室ひとつ取っても選択肢が膨大すぎて正直困っていた。まぁそんな違いに気づくのも面白いんだけど。

そういった意味では、フランスだとまず美容室の選択肢は限られるので楽。
以前行った美容室はバスティーユ付近の、日本人オーナーかつ美容師は全員日本人というところ。パリ在住の方なら知っているかもしれない。
日本語で細かなニュアンスを伝えられる&他愛もない会話ができるのは安心できるし、アジア人の髪に慣れたプロにお任せできるため技術的にも信頼できとても好きだった。

しかしカット・シャンプーのみ(ミディアムヘア)で55€(約9,000円 /24年1月時点)はお財布に優しくない。ぐぬぬ…円安め。しばらくしてまた価格を確認するとカットメニューだけでも10€ほど値上がりしていたので、通い続けるのは難しいと断念。
はぁ…また良さげな美容室を探さなければ、、

コスパ重視で見つけた1件

前述の美容室でショートカットにしてからは、私の基準は低コストで定期的に形を整えられれば大体良し、となった。そもそも日本と同レベルの施術を安価で求めるのはまず無理(笑)なので、よほど下手くそでなければある程度は許容範囲かなと思っていた。

そんなわけで今回挑戦してみたのは、とある日本人コミュニティの情報で知った、11区にあるこちらの美容室。

美容室と書いたが、名前の通りアカデミー。学校。日本の提携美容室に所属する美容師たちが、パリでフランス人美容師の指導を受けながらトレーニングするために短期で訪れる施設らしい。
日本語の公式サイトに、パリにアカデミーを持つ理由が紹介されているのでちらっと読んでみた。日本には北海道、東京、神奈川、岐阜に店舗があるみたい。

さてこちら、1日に3枠しか予約時間帯がないので、早めの予約が必要。先述の通り、あくまで日本人美容師たちのトレーニングがメインのため、心と時間に余裕のある方におすすめする。いわゆるカットモデル、練習台になってあげるよ〜という方向け。
そのため、女性限定かつ13€(約2,000円 /24年3月時点)ぽっきり。(カット、シャンプー、セット込、現金のみ)
今回私は午後の枠(13:00〜15:00)を予約。

結論から言うと、個人的には満足でした!
まずコスパがよいのは大前提として、日本とフランスの施術方法の違いや、美容師の苦労というか裏側が見えて興味深いなと思ったから。ここは学校なのでフランスの普通の美容室とはまた違うかもだけど。
その時々で日本人美容師は入れ替わるそうなので、ずっと同じ人にお願いしたい方には不向きかな。

来店〜施術の流れ

受付、支払い

当日、予約時間の10分前に店舗に着いたものの、まだ開いていない様子。近くのスーパーで軽食を調達し食べながら戻ってきたら中に人が見えたので、13:05頃 入店。

さすがのんびりフランス

その日は私の他に3名予約が入っていたようで、予約名を伝えて受付と支払いを済ませると奥の待合スペースに案内される。2名はすでに待っていて、私より後にもう1人が到着したところで施術スペースに移動した。

カウンセリング、施術前の写真撮影

そこには日本人美容師が4名と、フランス人美容師(先生)が2名。あなたはこっちに座ってー、あなたはあっちねー、と先生に指示されるまま全員着席。みんな同時にスタート。
私を担当してくれる日本人美容師は新人アシスタントだという女性(Aさん)。少し挨拶を交わし、先生と通訳係の日本人スタッフが「今日はどんな感じにしたい?」と聞きに来てくれる。今回私は、縮毛矯正が残っている部分をばっさり切って癖毛を活かす髪型にしたかった。言葉で説明しても問題なく通訳してくれるが、写真を見せてこんな感じで!とお願いした。

人生初、ピクシーカットに挑戦!


そして、壁際に立って施術前の写真を4、5枚撮られる。

囚人になった気分


シャンプー、施術

シャンプー台は、背もたれが少し斜めのソファに座ってシンクに首をフィットさせる、あのタイプ。もちろん日本ほどリクライニングは効かないし顔も丸出し。ひざ掛けも温かいタオルもマッサージもあるわけない(笑)が、まぁここ学校だしね…想定内。
Aさんにさっと汚れを落としてもらい自席に戻ると、まず先生がブロッキングの仕方やカットの手順をざっくり説明し、Aさんにパス。
基本的に「先生のお手本&説明→Aさん施術→先生の調整」この流れの繰返し。日本語混じりの先生の説明はコミカルで面白かった。

耳周りのカットをする時は「ちょっと耳抑えてもらってていい?」と先生に頼まれたので、自分で耳を折りたたんで抑えつつ、カットを見守る。綺麗にラインを作ってくれて嬉しかった。
今回お願いしたヘアスタイルは結構工程が多く難しいテクニックも必要だったみたいで、大事な箇所はほぼ先生が切ってくれた。

Aさんが施術中は日本語でいろいろ話しながらで楽しく過ごせた。パリでの研修は約3ヶ月間で、Aさんのようなアシスタントが来ることもあれば、トップスタイリストが来ることもあるそう。慣れない異国で平日は毎日、言葉の通じない現地のスタッフやお客さんに対峙しなければならないのは相当ストレスや疲れが溜まるだろうな…と察した。

私たちの会話が盛り上がると、それを近くで聞いていた通訳スタッフの女性も時々会話に混ざってきて、アットホームな雰囲気がとても良かった。

最終仕上げ、セット

次の予約時間帯(15:00〜17:00)が迫ってくると「時間がないよ、急いで急いで!かなり遅れてるよー」と急かし始める先生。
Aさんへの指摘や説明もやや語気が強まり、「ノンノンノン!」連発。Aさん勢いに押されて若干涙目になってた気がする…何の足しにもならないが、(負けるな〜)と心の中で応援した。
最終仕上げに入る時、先生がかなりのハイスピードで整えてくれた。いやー豪快、豪快!躊躇なくどんどん切ってくれるので、見ていて気持ちが良かった。

結構な毛量を切ったので、顔や首についた髪の毛を先生がタオルでガシガシ落としてくれる。遠慮なんかない。あぶ、あぶぶ、、となったが気にしない。軽くシャンプーで内側の毛をスッキリさせた後、最後にワックスで仕上げてくれて、無事セットまで完了!
Merci beaucoup!と笑顔で伝えると「こちらこそ!次はもっと短くする〜?」とおちゃらけて笑ってくれた。キュートな先生だった。

施術後の写真撮影、終了

最初と同じように写真を4、5枚撮って終了。

囚人気分、その2


Aさんにお願いしてAirdropで写真を共有してもらった。そうこうしていたら次のお客さん達が続々と着席し始めていて、ややバタつきながら退店。

もし次回また来るなら、午前中か午後の後半枠のほうがいいのかな?と思った。

まとめ

はい、そんなわけで今回行った "Academie rive droite" 、もちろん向き不向きはあると思うけれど、個人的にまとめるとこんな感じ。大雑把な性格の私の一感想なので、参考程度に思ってもらえたら!

おすすめできる方

  • 女性

  • 心と時間に余裕がある

  • コスパ重視

  • カットのみで大丈夫

  • ちょっぴり雑でも気にならない

  • 担当美容師が固定じゃなくてもいい

  • むしろ色んな美容師に切ってもらいたい


おすすめできない方

  • 男性

  • タイパ重視

  • カット以外の施術もしてほしい

  • 練習台になんかなりたくない

  • 譲れない強いこだわりがある

  • 繊細に扱ってもらいたい

  • いつも同じ担当美容師がいい



フランスでの美容室探し、妥協せざるを得ないな〜と何かと自分を納得させてる。


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