コンテンツ月報:2024.3
年初から書き始めたコンテンツ月報。映画館で鑑賞した映画を主に記録しています。1月は映画11本、2月は仕事が忙しくてわずか3本に留まりました。
反動なのか、3月は実に10本!
IMAXレーザーGTで鑑賞したり、初めての応援上映を経験したり、良い映画体験ができた1ヶ月でした。
1.落下の解剖学
タイトルが秀逸すぎました。映画館から退出しながら「落下の、解剖学…!」と噛みしめながら見上げた夕暮れ空の透明さを忘れられません。
こんなに“怖い”映画だと思っていなくて、芯から冷えました。真実は思ったより、曖昧なんだな…。
主人公サンドラ役のザンドラ・ヒュラーと、弁護士のヴァンサン役のスワン・アルローがとにかくかっこよくて、ふたりの間を流れる空気感が、複雑で濃密で良かったです。
ボーダーコリーのスヌープ役のメッシ!最高の演技でしたね。アカデミー賞授賞式でもかっこかわいい姿を見せてもらえて嬉しかったな。
2.カラオケ行こ!
映画「カラオケ行こ!」見事に沼った友達と鑑賞しました!私は3回目、友達は…驚愕の回数(まだまだ更新中!ほんとにすごい、愛だ)
鑑賞後、綾野剛さんの凄さについて語り合えてめちゃくちゃ楽しかったです。
綾野剛さんの狂児は、齋藤潤さんの演技を受けての、絶妙なバランス感で表現されているんだよなあ…と。
そして齋藤潤さんは、柳楽優弥さんのように凄い俳優になられる予感がしていて、今後の活躍が本当に楽しみです!
3.DUNE 砂の惑星 PART2
いやー…すごいものを観ました。すごいところまで連れて行かれた…!と放心。「DUNE」前作のラストがアレで、2でここまで来たの!?という驚き。
そしてサンドワームそういうふうにアレするんや!かっこよすぎる!!!!!
クライマックス、フレメンの言葉で惑星の名前を言う場面はゾクゾクしました。
なんというか、言葉で説明しすぎないのだけど集中して観ているから全部わかる!感がすごい。濃密に凝縮されているのにさくさく進んでいくテンポの良さ、気持ちよいです。
冗長なセリフはいらないんですよね。観る側で想像したいんですよ。
鑑賞後はほんと、「DUNE前・DUNE後」みたいになっちゃうのでは!?と思ってしまいました…ずっと観ていたかった。これは間違いなくアカデミー賞もの。
凄まじく美しくて、映画館から出てしばらくしても、まだ砂の惑星にいるみたい…と呆然としていました。
4.カラオケ行こ!(応援上映)
初めての応援上映!でした!前述のカラ!沼の友達と一緒に塚口サンサン劇場へ。
160人満席!関西の熱狂的カラ!ファンの老若男女が集結したんだなあ…と感じてしまうほど、濃密な空間でした。映画館というよりイベント会場みたいで、懐かしい感じ。
上映中、皆さんのツッコミが的確だったり可愛かったり…さすが関西…!聡実君のオカンや中川さんが大量にいらっしゃるような、楽しすぎる空間でした!
初めての応援上映が「カラオケ行こ!」で良かったです!
映画館ってこんな可能性もあるんだなあ…と目が覚めるような思いでした。映画を観ながら、皆で歌ったり拍手したり、黄色い声援を送るのって楽しいな。
クライマックス、聡実君の最後の「紅」絶唱の時に、途中で“がんばれー!”と声援が聴こえたのだけど、聡実君のブレスのタイミングで被せてた(歌声の邪魔をしてないように)の繊細な心遣いに感動しました。
そして狂児の爆イケシーンにつど悲鳴があがりまくるのおもしろすぎました。なんという幸せ空間…
その映画作品を熱狂的に愛する人達だけが集まって、もう100%同意しかない!って声援を送って、せやせや!の合いの手も上がる(会話が成立)、愛しかない空間。
コミケに行かなくても、ドームコンサートに行かなくても、あるんだ!こんな空間が!!という驚きと嬉しさ。ハッピーしかない、パワースポットでした!
5.DUNE 砂の惑星 PART2(IMAX)
どうしても西日本随一のIMAXシアターでDUNE2を観たくなって、はるばるエキスポシティまで遠征しました!「ダンケルク」ぶり、2回目です。
圧倒的な美の暴力…!凄かった!!砂虫ー!!!!!
砂漠の夕暮れがめちゃくちゃ美しくて、もう…素晴らしかったです…!IMAXの、空間に放り出されたかのような浮遊感、没入感は凄いですね。
そして音響の凄まじさに圧倒されました。映像も凄いけど、やっぱり音だな…!ハンス・ジマーの仕事は最高です。
6.ゴールド・ボーイ
SNSで評価が本当に高かったので、これは映画館で観ないと後悔する!と思いレイトショーで鑑賞してきました。
結論:激ヤバ…!観に来て良かった…!映画観たー!って感じでした!二転三転どころか四回転してましたね…
岡田将生さんが美しすぎて怖くて、さすが狂気の人やらせたら天下一品だよと思ってたら朝陽役の羽村仁成さん!凄い若手俳優さんですね…本当に素晴らしかった!賞レース総ナメにしてほしいですね。齋藤潤さんと争っちゃうのでしょうか。
書きたいこといっぱいあるのですけど、きっと配信が始まってから初見、という人まで多いと思うので控えます…!!間違いなく傑作です!!!
7.坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち
「第4回 TBSドキュメンタリー映画祭2024」上映作品。
3月28日、教授が逝去して1年。まだ受け入れられてない気がします。
自分にとって、とてもとても大切な存在なのだと、この映画を観て改めて実感しました。
いつも心の中で、尊敬する人として生きていてほしいし、言葉と行動を追いかけていきたいのだと。教授が残した言葉、想い。受け継いでいかないと。言葉にすると陳腐だけど、子供達の世代の為に、命の為に、いま止めないと大変なことになる。
「正論を言っても耳を塞ぐ人がいる、どうやったら聞いてもらえるか工夫が必要」
「音楽は音楽としてそこにある。兵士が聞いて争いをやめようと思ってくれるような音楽、そんな力が果たして音楽にあるのか?」
この記事、とても良かったです。
8.戦場のメリークリスマス
ハシゴしました。教授DAYでした。
昔、祖母宅で夜中に、テレビ放送で観たことがあるのですが、やっぱりうろ覚えすぎたなと…1983年5月公開だと…41年前の作品。やっぱり名作ですね。
簡単に“正義”はひっくり返る。ヨノイ大尉と少佐セリアズ、ハラ軍曹と俘虜の通訳のローレンス…敵同士だけど価値観が似ているというか、通い合えるものがある同士だったんだなと感じました。
映画館を出て、「Merry Christmas,Mr.Lawrence」を聴きながら歩いていると、(ここは教授がいない世界なんだな)と、ふと実感して、凄く寂しく、怖くなりました。
音楽は残る、魂は消えない…と、信じる。受け継ぐ者がいる限り。
3月28日は、ずっと教授の音楽を聴いていました。
9.風よあらしよ 劇場版
気になっていたのですがタイミングを逃し続けていたので、観れて本当に良かったです!
吉高由里子さんがめちゃくちゃ良かった…最初はどんくさそうな女子学生が、職業婦人というか自立した大人の女性に変わっていく様が、本当に繊細かつリアルに演じられていて。顔つきがまるで違うというか。あとやっぱり声がいいですね。
「崖を登り、草の根を掴んで進むような険しい道だ。でも確固たる意志を持つ人間として進むのだ…」
私もそうありたい。胸に火が灯りました。
10.オッペンハイマー
映画を観ていて、こんなに苦痛だったのは初めてでびっくりしました。正直に言うと(早く終わってほしい)と何度も思いました。
クリストファー・ノーラン監督が「原爆の父」を撮るというニュースを見た時から、そして本作のメインビジュアルを目にするたびに、“私は観るべきじゃないんだろうな”と予感してはいたのですが、ノーラン監督作品への愛が上回るかもしれない、と安易に考えていました。
公開日、広島に帰省していたので、一番好きな八丁座の、一番いい席で観ました。楽しみでした。けれどどこまでも、感情が否定する。理屈じゃないところで心が拒否してしまい、苦しかったです。
映画作品として、作りとしては素晴らしかったです。1人の人間の脳内を、苦悩を、視覚と音響でこんなふうに表現するんだ…というテクニカルな面で、さすがノーラン監督だと何度も唸りました。キリアン・マーフィをはじめとする演者の方々も素晴らしかった。
でも取り上げられている根幹のテーマが、私に取って本当に心のど真ん中にあるもので、触ってはいけないところでした。
いくら映画を愛していると言っても、そこは凌駕できないものがあるんだと、自分で初めて知ることができたので、良かったです。
そして、この作品が世界でヒットして、アカデミー賞を何部門も受賞したという事実に、希望を持ちました。彼の苦悩を共有できた人が、この世界にたくさんいるんだという事実に。
来月はどんな作品に出会えるだろうかと楽しみです。
観て幸せになる映画も、熱くなる映画も、胸が掻き乱され苦しくなる映画も、すべて自分にとって大切な鑑賞体験です。
3月も、10本分の良い経験ができて嬉しいです。来月の出会いも楽しみにしたいと思います。
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