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四国歩き遍路日記 24日目
3月16日
7時に出る。今日は少し長くなりそうなので、いつもより30分早い。
海沿いの321号を軽快に歩いていく。いよいよ今日で太平洋を見ながら歩く道は最後になるので寂しい。
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長いトンネルを二つ抜け、ファミリーマートみぞぶちという個人商店でパンを買っていく。今日はここしか店がないらしくまだ8時半だったので心配だったが、無事開いていた。人の良さそうなじいちゃんがやっていた。ありがたや。
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本来なら泊まりたかった叶崎を越え、大浦の集落に到着。ここで、いよいよ太平洋に別れをつげ、月山神社への遍路道に入る。
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なかなかハードな山道だが、ところどころ地元の小学生が描いた絵がかかっていてなごむ。
万次郎資料館のレストランの人(歩き遍路経験者らしい)に聞いた話では「大月小学校では先達を呼んで遍路について学ぶ授業をしている。歩き遍路でもこっちの月山神社ルートを選択する人は少ないが、この道を歩きたいがために来る人もいる」とのことだった。
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月山神社に11時半ごろ到着。思っていたより、かなりこじんまりした神社だった。本殿の裏の切り立った岩壁の上に月の形をした石があり、なんとか登って拝む。
そして昨日電話した隣の宮司さんの家を訪ね(表札が「守月」さんだった!)ご朱印をいただいた。この時期は日に一人来るか来ないからしい。俺も足摺岬からここまで、一人も遍路を見ていない。
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月山神社からさらに車道を登っていき、ふたたび遍路道との分岐。
事前に調べた情報ではこの道は荒れているとのことなので行く予定はなかったのだが、見た感じ大丈夫そうだったので入ってみる。
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こちらもなかなかきつい山道だった。
そして遍路道を下りきると突然開け、海に出た。もう見ることはないと思ってた太平洋にふたたび相まみえてうれしくなる。どうやらここが赤泊の浜らしい。
人の気配がしないなんとも荒涼とした雰囲気。歩き遍路でもしなければこんなところにくることはないわけで、なんかこう、とうとう四国の果てに行き着いたという感慨を覚える。
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特になにかがあるというわけではないのだが、今まで歩いてきた中で一番心に残る場所になった。
あの時の分岐で気まぐれに遍路道に入らなかったらここに来られなかったわけで、なんか運命の綾みたいなものを感じる。
ここで3枚目の自撮りを撮った。
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そこから赤泊の集落を歩いていく。まだ農地は使われているみたいだが人の気配はほとんどしなかった。
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集落からの道をずっと歩いていくと国道に合流。
その後、山間部を走る321号をひたすら歩いていき大月町の中心部へ近づいていく。
昨日から無性に牛肉を食らいたくて仕方がなかったのだが、ちょうど道の駅があったのでステーキを頼んでしまった。1500円。
途中「カーサリブレ」という一日貸しのアパートがあって、黄色い本に載せてくれれば利用したのに! と地団駄を踏んだ。版が変われば載ってるのかもしれない。
ローソンに寄って食料を調達。今旅、ローソンが意外なところにあってありがたいことが多い。多少辺鄙なところでも、ライバルがいないところに出店するのが戦略なんだろうか。
16時前宿に到着。居酒屋のバックヤードを貸してるみたいで、トイレは和式だが宿代は激安なので贅沢は言うまい。
遍路もすでに24日目。もう折り返し地点は過ぎてるはずだが、こんなに歩いてきたのにまだ半分もあるのかと思う。まあ、あとは減っていくだけなので気は楽だが。
19時14分 泊:はたご屋(素泊2500円)
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