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四国歩き遍路日記 13日目 27番

3月5日

7時過ぎに出る。宿の前で昨晩同宿だった中国人の兄ちゃんがタバコ吸ってたので、片言の英語で会話する。

昨日26番は終えてるので、今日はそのまま55号を進む。
途中不動岩に寄った。空海が洞窟修行したのは実は御厨人窟でなくこっちだという説もあるらしい。

不動岩からの空と海


 相変わらず海沿いの道が続くが、飽きることはない。荒涼とした太平洋を見ながらひたすら歩いていると、これこそ長年自分が夢見てきた遍路の風景だと実感する。

吉良川の町並み


 途中、あてにしていた飯屋がことごとく潰れていて今日も昼飯難民になるかと思われたが、奈半利の中心部に入るとほか弁があった。唐揚げ弁当を買ってしばらく行った先のベンチで食べた(目の前に国交省の出張所があり、遍路のためにトイレが開放されていた)。


27番への山登りは明日の朝一の予定だったが、ワンチャン今日中にいけるかもと考えはじめた。
そして、15時までに宿に着いたらやろうと決めたら、なんと14時に着いてしまった。そんなわけで、宿で30分ほど休んでから出発した。出がけに、昨日の宿泊者が置いてったというアクエリアスを貰った。


鶴林、太龍以来の遍路ころがしとのことで、かつては真縦(まったて)なんて呼ばれるほど急峻な参道だったらしい。しかし、今は蛇行しながら上っていく舗装路があるしザックも背負ってないので、ゆっくりいけば言われてるほどきつくはなかった。ただ、昔の道と思わしきものがときどき見えて、真縦の名のとおりぞっとするような急坂だった。

3月とはいえ、日差しも強く汗だくになった。宿を出るときもらったアクエリアスは、27番神峯寺に着くころには空になっていた。

真縦
神仏分離で無理やり分けたであろう入口

 
納経を終えて下山中、朝の中国人と再会し喜びあった。17時過ぎ、宿に戻った。
やはり体ができてきたのか、歩くペースが早くなってきた気がする(それでもやっと人並だが)。

宿のカレンダーをぼーっと眺めながら「結構歩いてきた気がするけどこの3月のカレンダーが終わってもまだ遍路は終わってないんだよなあ」と、改めて先行きの長さを感じる。
 
これでまた当分険しい道はなさそうなので気は楽だ。なにより、雨に当たらなくて良かった。明日は午後から降るらしい。

20時0分 泊:民宿とうのはま(2食5500円)

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