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四国歩き遍路日記 23日目

3月15日

7時半ごろ出る。
このあたりは小高い丘の上から太平洋を見晴らす道になっていて、地球の丸さを感じる雄大な海を見ながら歩いていく。こんなところに生きてたら、人生観変わるんだろうか。

ほどなく、なんかこう酒好きなんだろうなって雰囲気のおっちゃんに話しかけられた。土佐清水のスーパーまで散歩がてら歩いていくらしく、成り行きで一緒に歩く感じになってしまった。
途中、おっちゃんは郵便局に寄っていくとのことで別れたが、その後休憩していたらおっちゃんに追いつかれ、また一緒に歩くことになってしまった。

おっちゃんはここの生まれで、横浜で40年くらいバーテンをやってたらしい。向こうで家庭を持ってた時期もあったみたいだが、数年前一人でこっちに戻ってきたそうだ。

おっちゃん、途中の自販機でビールのロング缶買って飲みだす始末で「なんか飲む?」と言われたが、一応遍路中は酒絶ちしているので断ってしまった。今にして思えば、変なこだわりなんかに捕らわれず、二人で飲んだくれながら歩いても良かったなーと思う。

その後、途中の山道で並んで立ちションしたりおっちゃんの知り合いの家に寄ったりしながら、中浜の街を通り、ジョン万次郎の生家にも連れてってもらい、結局土佐清水で別れた。

おっちゃんが撮ってくれた
地元感満載の街並み。落ち着く。

そして、念願のジョン万次郎資料館に到着。付属のレストランで万次郎カレーを食べたあと入館する。
しかし、館内はパネル展示がほとんどで、万次郎の遺品みたいなものはなく、楽しみにしていた分いまいちだった。まあ展示のセンスはめちゃ良かったが。

ジョン万次郎の人生には本当胸が熱くなる。過酷な運命の荒波を、不屈の意思と才覚で乗り切った偉大な人だ。
やはり好きなエピソードは、日本への渡航費用を捻出するため、ゴールドラッシュだったカリフォルニアに行って一稼ぎするところだ。ゴールドラッシュなんて世界史で習う出来事なのに、そこでジーンズ履いて金掘ってた日本人が、帰国して今度はちょんまげ結って侍になるわけで、そんなゲームの主人公みたいな人生を送った人が本当に存在することに、ただただ驚嘆する。

15時ごろ宿に到着。明日は月山神社に行くが、ご朱印いただくには事前連絡しておいたほうがいいとの情報を見たので電話しておいた。 

19時45分 泊:ホテルオレンジ(素泊4000円)

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