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四国歩き遍路日記 21日目

3月13日

7時半ごろ出る。出発する際主人から聞いたが、今日は遍路客で満室だそうだ。すでにシーズンに突入しているのだ。

宿を出てしばらく歩くと「海の王迎駅」という奇妙な名前の駅があった。後鳥羽天皇の親王の流刑地だったことに由来するらしい。
しばらく行くと今度は「王無の浜」というバス停もあり、こちらも同じ由来とのこと。


今日は日差しは強いが風も強く、体感温度は低い。久しぶりに上着を取り出した。

道の駅の駐車場で遍路のじいちゃんに話しかけられ、以前どこでお会いしたのか思い出せず、会話を合わせながら頭の中で必死で記憶をたぐっていたが、あとになって岩本寺で同宿だったSさんだと気づいた。

ここから海岸沿いの遊歩道に入っていったが、このあたりの雰囲気が地元の海に似ていたので、寄り道してしばらく砂浜に座って海を眺めていた。

桂浜でもそうだったが、とうとうこうして高知に来て、地元の海と同じように太平洋を眺めることができたのだとしみじみ感じる。ちょうどいいあんばいに流木があったので、本旅二度目の自撮りをした。


海沿いの道から、結構アップダウンのある広域農道を歩き、四万十川に到達。ローソンで食料を調達して川のほとりで食べる。


四万十川も著名な川だが実物を見るのは初めてなわけで、こうして知識だけの存在だった物を実際に見聞して、自分の人生の一部にしていけるのが旅の醍醐味だろう。

四万十大橋を渡っていくと、もうとにかくべらぼうに風が強く、台風の中を歩いているようだった。


そこから山中の国道になり、伊豆田トンネルという1.6キロもあるトンネルを抜ける。ただ、歩道は広いので歩きやすい。

ふたたび海に出て15時40分頃宿に到着。

宿の手前にあった趣のあるやしろ(手入れされてないだけ?)


宿泊客は3人。朝、道の駅の駐車場で話した北海道から来ている区切り打ちの75歳(Sさん)と、東京から来ている通し打ちの73歳。
東京の方は登山をやってるそうで、かなり健脚みたいだ。やはり山やってる人からすると、四国遍路の山くらいならなんてことないみたいである。年とっても体力あるじいちゃんに憧れる。この方から、遍路終わったあと高野山にお礼参りにいくなら、ぜひ麓の慈尊院で納経して町石道を登っていったほうがいいと勧められた。
後、理由は分からないが、歩き遍路の矢印シールは数年前より半分以下になってるらしい。

結構3人で話し込んで、Sさんはだいぶお銚子を空けて、べろんべろんになっていた。俺も飲みたかった。

20時13分 泊:民宿くもも(2食6500円)

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