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大切なことは心を届けること

英語の苦手意識の根底では、伝えようとする心以上に、自信がない、間違っていたらどうしようなどという気持ちが先走ってしまうことがあると思います。

私もその例外に漏れず、誰かと英語で話す度に口から心臓が飛び出そうになり、できることなら人を避けて生活したいと、渡米直後の頃は特に感じていました。

今日はそんな私を変えてくれた、バトラー転校前に所属していた学校でのエピソードをご紹介したいと思います。

アメリカでの初めてのチームは、Lewis and Clark Community Collegeという、イリノイ州の小さな田舎町にある学校でした。サッカーで奨学金をもらいながらではありましたが、シーズン開幕直後に相手のスパイクが膝に入り、3試合ほどしか出場は叶わず。

このとき実はドクターからは復帰の許可を得ていて、練習にも参加し、シーズン最後のトーナメント戦にはロスター入り。そして迎えたトーナメント初戦のアップ開始前、私は監督に呼び出されました。

"サッカーへの気持ちはもちろん、せりなの人間性の部分も理解しているつもりだし、だからこそせりなのキャリアをここで終わらせてはいけない。今日はせりなを使うつもりはない。" 

普段なら意地でも抵抗している状況ではありますが、このときは実践でやるコンディションには程遠かったこと、またそれ以上に、下手な英語できちんと自分のことを伝えられているか日々不安を抱えていた私に、"これでいいんだ"という大きな自信を与えてくれました。

できるだけ簡単な単語や短い文章を選びながら、普段の豪快なイメージからは想像できないくらいに優しいトーンで話してくれたティムの姿を、私は生涯忘れることはないと思います。

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ときには語学力をバカにされて嫌な思いをすることもありましたが、文法がめちゃくちゃで、例え単語しか並べられないような状況でも、なんとか理解しようと一緒に頭を悩ませてくれる人がほとんどでした。そして、それは伝えようとする気持ちをリスペクトしてくれていたからだと感じています。

もちろん同じ言語で会話が成り立つのであればそれがベストですし、スポーツ選手であっても仕事で結果を出したいのであれば尚更なため、単語や文法などの知識もある程度は必要です。

ただ、そこで完璧を求めるあまりに自分のことを伝えられず、相手のことも知ることができないまま終わるくらいなら、それは邪魔なだけだなのかなとも感じています。

最近、英会話のレッスンの依頼を受けてレッスンを始めていますが、単語や文法云々よりまずは、文法的にきちんと話さなければ伝わらないなどというような固定概念をぶち壊すことや、知っている単語を並べるだけになっても伝えること、逆に相手から受け取るようなコミュニケーションから始めています。

始めてまだ2週間も経過していませんが、すでに彼女の英語でのインプット量が別人並みに増えてきていること、また英語を話すことへの意識の変化が顕著に表れていて、これからがとても楽しみです。

MYOBDでの活動目標の一つとして、マークたちに来日してもらって子どもたちとの交流の場を設けるというものがあります。日本語は話せないけど、コミュニケーション能力おばけである彼らが日本の子どもたちが出会うことでなんらかの化学反応があるのではないか。アメリカで私が体験してきたMYOBDでの活動や、マークたちの人柄には、そういう期待を抱かせるものを感じます。

現状、彼らを巻き込んでのイベント企画は無理な状況下にはありますが、まずは人と繋がることや、活動の土台を築くことであったり、今できることに目を向けてやっていこうと思います。



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