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#44 一日一善

多分、「好きな四字熟語は?」の回答に上がることの多い「一日一善」。

「一期一会」の次くらいに人気なんじゃなかろうか…

私は今年の一月頃から、一日一善を毎日するというルールを自分に課した。

発端は、昨年中あまり外に出ることが無くなってからというものの、「外で親切にする」機会がめっきり減ったのをいいことに、困っている人を見かけても声をかけられなくなっていたからというもの。

(絶対席を譲るべきだよな、でも話しかけて嫌がられたらどうしよう…)なんてアレコレ考えてる間にとっくに譲れなくなり、降りた時に(なんで譲らなかったんだろう…いくじなしめ…)と自分を責めるというループに陥っていた。まるで馬鹿、、

だからこそルールを課したわけで、その日にどんないいことをしたか、ノートに書きためるようになった。スマホでTodoリストのアプリを入れて、一日一善したらチェック出来るようにまでしていた。

電車で席を譲り、外国人観光客を助け、物を拾って届けて…なんて一日三善出来るような日もあれば、「お母さんにありがとうと言った」なんて苦し紛れの一善の日もあった。

けれど、一日一善をしていく中で気づいたこと、私は「Todoリストにチェックをしたいから」という下心のもと一善を心がけていたものの、みーんな、一善をした人からは「ありがとう!」と暖かい言葉を頂けるのだ。

次第に自分が好きになる。
下心まみれの一善なのに、とんでもなくいい事をした気になり、「そうだ、私は優しいんだ、気が利くんだ、」なんて…

一日一善がだいぶ身についてきた今、毎日ノートに書きためることは無くなってしまった。
ただ、自己肯定感、という言葉をよく耳にする今こそ一日一善を心がけるべきだと思うのだ。

一日一善は、自分の心が安定していてこそ成り立つものだから。一日一善する気にならないのはきっと、どこか、かけ違えちゃってるから。どこかに引っ掛かりがあるからだと思うのだ…

一日一善によって救われる人がいるかもしれないと今日も私は、困っている人を探す。
あなたも困っていれば、私のためと思ってちょっと助けさせて!

#創作大賞2024
#エッセイ部門

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