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【ゲームレビュー29】「マイクタイソン・パンチアウト!!」はバブルの象徴

マイクタイソン・パンチアウト」は確か、ディスクシステムのゴルフの大会(「ゴルフJAPANコース」「ゴルフUSAコース」かな)で上位入賞者への景品(マイクタイソンはでていない「パンチ・アウト」)だったものを一般発売したゲームだと思う。景品だったときはゴールドのカセットだったこともあって、当時の子供たちは「いいな、ほしいな」とみんな思っていた。そのニーズに答えてか、もともとそういう企みだったのか分からないが、一般発売して売れないはずがないという状況だった。ましてや無敵のマイク・タイソンが大ボスに控えていたのだから。

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■マイク・タイソン VSトニー・タップス戦

私の中で、マイク・タイソンと言えば、1988年3月21日に東京ドームのこけら落としイベントとして行われた、トニー・タップス戦が印象深い。

その前日のテレビ番組『独占!スポーツ情報』にタイソンのトレーナーとトニー・タップス本人がゲスト出演していたのだが、企画でパンチングマシーンが用意され、タイソンのトレーナーが撃ってどれくらいの数値になるかやっていたところ、予定になかったタップスが、ゆっくり歩きなら片手はポケットに入れた状態で、パンチングマシーンをバゴッ!!と殴ってしまったのだ。司会のアナウンサーらは唖然としていたが、マシーンの数値がとんでもなく高かったため歓声があがり、アナウンサーが「ユーアーチャンピオン!!」と興奮して叫んでいた記憶がある。今思えば、ちょっと怪しいなぁと思ってしまうが、その当時その番組をみた私は、明日どんな試合になるのかというワクワクが止まらなかった。

翌日の中継はもちろん初めから観ていたのだが、タイソンのオーラがとにかく半端なかった。入場直前の控室でタップスは椅子にすわり、音楽を聴きながらリラックスしていたのに対し、タイソンは汗だくでミットを殴りまくっていた。
入場時もタイソンはガウンを羽織らず、汗だくのまま観客の声援に全く答えることもなく、緊張感をもって入場してきた。これをみて前日のどっちが勝つかなという感覚は全くなくなった。タップスに同情しそうになるくらい、当時のタイソンには迫力とストイックさがあった。試合はタイソンの2R KO勝ちだった。

■ゲームとの出会い

その試合で一番やっていたCMがタイソン出演のサントリーのなんとかDRYというビールのCMで、その次が同じくタイソン出演のマイクタイソン・パンチアウトだった。確か試合のあとに買った気がする。

■ゲーム内容

主人公リトル・マックを操作し、架空のボクシング協会、W. V. B. Aの各ステージのランカーやチャンピオンを撃破していく。

試合は3分3ラウンド。体力ゲージが0になるとダウン。ダウン中10カウントでKO(ボタン連打で立ち上がる)。同一ラウンド内3度のダウンか、試合中5度のダウンでTKO負けとなる。

3ラウンド内で決着がつかなかった場合、審判のマリオによる判定になるが、 ホームタウンディシジョンでマックに不利な判定となる。

ラウンド間のインターバル中に、セレクトボタンを押す事で一試合に一回だけ体力ゲージを回復することができる。
マックのステータスには体力ゲージのほかにスタミナ(なくなるとパンチが撃てなくなる)を表すハートと必殺アッパーカット使用可能回数を示すスターがある。ハートは打撃を受けるか打撃をガードされると減少し、相手の打撃を連続回避すると回復する。スターは特定のタイミング(対戦相手によって異なる)で獲得でき、アッパーカットを繰り出すと減る。

■対戦相手

このゲームは、言ってしまえばリズムゲーである。対戦相手の行動は一定なので、このタイミングで右に避けてAボタンでパンチなどという流れを覚えれば、タイソンもKOすることができる。
またこのゲームはWii Uのバーチャルコンソールでも購入しており、対戦相手を詳しく解説していこうと思う。Wii U版はマイク・タイソンはいないので、マイク・タイソンについては当時の記憶を披露。

THE W. V. B. A. MINOR CIRCUIT
グラス・ジョー フランス・パリ出身、38歳、110パウンド、1勝99敗1KO
めちゃくちゃ弱い。試合開始からしばらく攻撃をしてこない。ガードも甘いので、適当に撃ってもあたる。30秒くらいたってからステップバックし、挑発したのちに、やっとジャブやフックを打ってくるが、スピードが遅いので容易にかわして、反撃することができる。

フォン・カイザー 西ドイツ・ベルリン出身、42歳、144パウンド、23勝13敗10KO。おじさん。
グラス・ジョーは弱すぎるので、ここからスタートと言っても過言ではない。むやみにパンチし撃っても、ガードされてしまう。様子をうかがっていると、おじさんがジャブを撃ってくるのだが、撃つ直前に必ず首をブルブルする。ブルブルときたら左右にジャブを避け、すぐに元に戻ってパンチの連打をかますのが定石だ。おじさんがダウンして復帰した直後、渾身のアッパーカットを撃ってくるので、左右にかわし顔面に1発お見舞いすると放心状態になる。その間にアッパーカット放つと1発でダウンしてしまう。

ピストン本田 日本・東京出身、28歳、174パウンド、26勝1敗18KO 外人が描く日本人。入場曲が「さくら」
試合開始直後、眉毛をヒクヒクしてストレートを撃ってくる。これをかわしてしまえば、次に放ってくるフックやアッパーは余裕で避けられ、連打をお見舞いすることができる。本田がダウンから復帰直後にステップバックして、空手の突きの様なストレートを連打してくる。これは避けられないので、タイミングを合わせてガード。その後のアッパーカットを避け連打。これを繰り返していると1RでTKOできる。ピストン本田に勝つと、MINOR CIRCUITクリア。

ブレイクタイム:自由の女神とダウンタウンをチラ見しながら、昼間のニューヨークの公園をランニング

THE W. V. B. A. MAJOR CIRCUIT
ドン・フラメンコ スペイン・マドリード出身、23歳、152パウンド、22勝3敗9KO バラをくわえて入場。
相手からは攻撃してこない。こちらがジャブを放つとスッと避けて、「ろくでなしブルース」の前田太尊ばりのアッパーカットを放ってくる。(地面のお金を拾うくらい下から)それを避けて左右交互に顔面を撃ち続けるとダウンするまで撃つことができる。

キング・ヒッポ 南太平洋出身、18勝9敗18KO。年齢、体重不詳
鉄壁のガードかつパンチも速い。弱点は口と出べそ。口を開けたときに顔面をパンチすると両手で口をガードするので、その隙に出べそへパンチするとなぜかパンツが下がってしまい、ボディを連打することができる。「口が開くかな、どうかな?開けないんかい!」とよくなる。

グレート・タイガー インド・ボンベイ出身、29歳、132パウンド、24勝5敗3KO 魔術師。セコンドにトラがいる。
額の宝石が光るとパンチを放ってくるのだが、撃つ前にカウンターをあわせることができる。恐らくうまくやれば、一発もパンチを撃たれないで勝つこともできそう。必殺技はステップバック後の分身パンチ。

ボールド・ブル トルコ・イスタンブール出身、36歳、298パウンド、34勝4敗29KO でかい。
開始直後にぐるぐるパンチを撃ってくる。(Eテレの「いないいないばぁ」の最後にやる体操の「ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるどっか~ん」のぐるぐると同じ)ぐるぐるパンチもその後のフックも速くて、間合いも短いのでここらへんの対戦相手から、スッスッと避けて短い間にパンチを返していく必要がある。終盤に必殺技の長いステップバックから、うさぎ跳びアッパーカットを放ってくる。絶妙なタイミングでボディを放つと、おちょぼ口になりながらダウンする。ボールド・ブルに勝つとMAJOR CIRCUITクリア

ブレイクタイム:自由の女神とダウンタウンをチラ見しながら、治安の良くなったっぽい、夜のニューヨークの公園をランニング

THE W. V. B. A. WORLD CIRCUIT
ピストン本田 2回目。本田のリベンジ
基本的に攻撃の仕方は1回目と変わらないが、パンチの間合いが短くなっている。たまにしゃがんだ状態で左右にフェイントしてからアッパーをうったりする。

ソーダ・ポピンスキー ソビエト連邦・モスクワ出身、35歳、237パウンド、33勝2敗24KO サウスポー
ビューンと強烈なフック、アッパーを撃ってくる。とくにフックはタイミングがとりづらい。またはじめから、マックのスタミナが少なく、ゼロになりやすい。ゼロになると道路工事みたいな音がしてからジャブを撃ってくる。

ボールド・ブル 2回目
基本的には1回目と同じような攻撃。ステップバックからのうさぎ跳びアッパーカットへのカウンターは、意識しちゃうと失敗しがち。

ドン・フラメンコ 2回目
今度は、はじめからストレートを撃ってくるのだが、威力はない。ダウンしてしまうとやはりとアッパーカット頼みになってしまう。ダウンすると、インターバル時に髪が薄くなっている。

Mr. サンドマン アメリカ合衆国・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身、31歳、284パウンド、27勝2敗21KO。でかくて速い。威圧的。ここからの3人は、上弦の鬼に匹敵する強さ。
開始早々、高速ぐるぐるパンチ、フックを撃った後、鋭いアッパーカットの3連発が激速で非常に強力。そのあと少し落ち着いたときに、顔面にパンチを撃って、わざと避けさせて反撃されたら左右にかわし、顔面に1発撃つと日和るのでボディを連打できる。

スーパー・マッチョマン アメリカ合衆国・カリフォルニア州ハリウッド出身、27歳、242パウンド、35勝0敗29KO。容姿はプロレスラー。
フックとアッパーが強烈、こいつもフックが避けづらい。必殺技は、回転連続フック。永遠と打ってくることがあるが、リズムになれると結構避けられる。単発の回転フックもあるが、そっちの方が、避けづらい。こいつに勝つと、THE W. V. B. A. WORLD CIRCUITのチャンピオンになれる。

DREAM MATCH
マイク・タイソン アメリカ合衆国・ニューヨーク州キャッツキル出身、21歳(当時)、220パウンド、31勝0敗27KO いよいよ決戦。
試合開始直後の連続アッパーは一撃でダウンしてしまう。間合いも短く、少しずつしかパンチを返せず、ダメージをなかなか与えられない。その後、変形のストレートやジャブを撃ってくる。ジャブはガード直後に反撃すると星がでる。地道に削っていくしかない。タイソンに勝つとエンディング。

■まとめ

このゲームもめちゃくちゃやったなぁ。ゲームに夢中で、世の中がバブル景気だったことを実感できなかったなぁ。今思えば、東京ドームの試合も豪華でバブリーだったなぁ。大体、東京ドーム自体バブリーだもんなぁ。

遊びにきていただき、ありがとうございます。ネタが続く限り、更新して参ります!また、サポートのお礼のメッセージを3種類考えました。140文字以内なんで、大した内容ではないですが、最近やっているゲームやアプリのことを書きました。