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妊活日記―思い違い

2023/5/1(月)夫婦の妊活日記㉗
※この投稿は、私たち夫婦の不妊治療、妊娠、流産を思い起こして記事にしたものです。 
 記事を書いている今の私は、まだお母さんにはなれていないけど、なかなか幸せに不妊治療を続けています。今は卵子育成中!自己注射をがんばっています。


 塊が排出され、レディースクリニックへの検査予約をした日。
 夫は仕事の午前休をとって、一緒に病院へ行ってくれました。
 「一緒に」とは言ってもこの時はコロナが世を騒がせ始めた時…夫は車での待機となりました。
 私の後に受付をしたのは私と同世代の女性。受付のスタッフさんに大きな声で、
「ほんといらないんで!」
「作る気とかなかったし!」
「堕ろしたいだけなんで、処置してください!」
 待合室で塊が入ったバッグにしがみつくようにしながら、自分でも味わったことのない冷たい感情を噛みしめていました。
「なんでこんな人に子どもができるんだろう」
「うるさい!」
「いらないなら私に赤ちゃんくれたらいいのに…」
そんな風に暗くて攻撃的で冷たい気持ちが次々に湧いてきては泣きそうになる衝動を何とか抑えていました。
 自分の身体から出てきた赤ちゃんだった塊は、診察室に呼ばれてしまったらお医者さんの手元に渡ればその場で別れてしまう…迫って来る別れが悲しくて苦しくて、診察室に呼ばれるのが怖かった。
 そんな思いを抱えながら、聞こえてくる「子どもを堕ろしたい」人の声に心を乱して…この待合室の時間、苦痛だったな…。

 そして名前を呼ばれて診察室へ…

 その日の診察は塊を渡し、エコーで子宮内に排出されるべき組織が残っていないかの確認をしてもらいました。
 医師からの説明は「組織検査をすることで流産の原因が分かるかもしれないから…」というものでした。
 夫の元に帰り、診察の内容を報告して夫に家に送ってもらって帰宅。
 夫は無理に休みを取ってくれていた状態だったので、夫は私を送り届けてすぐに出社していきました。

 一人きりになってしまった自宅で、何をする気にもなれず…あんまりこの時の記憶はありません。
 でも何となく「普通に生活をしなきゃ」という意識と、どうしようもなく悲しくて苦しくて何をする気にもならない感覚…それらを繰り返していたような感じだったと思います。

 この日から一週間、私のパート先は
「ゆっくり体を休めてね」
と思いやって下さったパート先の奥様から休みの提案を頂き、突然の休みに入りました。
 自分の気持ちもよく分からないままに一週間を自宅で一人で過ごしていました。

 そして自分は進めないままに「普通っぽい日常」を送りながら、心のどこかで夫が普通に生活していることに嫌悪感に似た感情を抱くようになっていきました。
 夫に近しい人に言われてきた
「私たち夫婦に子どもがいないのは、全て私の責任だ」
という考え達…
 夫はいつだってその言葉たちに困った顔をして、懸命に私を気遣ってくれていたのに、
「私が赤ちゃんを殺してしまった」
…という罪悪感で、私には夫の姿がドンドン見えなくなっていきました。

今日はここまで!
こんなしんどい時間を過ごしながらも、今の私は周りに申し訳ないくらい幸せです。
この時を乗り越えてよかった!!
こんな文章で宜しければ、また読みに来てくださいね。


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