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チャレンジ②皆様の大切な時間を最大化

ドトールコーヒーショップ全店にはこのようなタグラインがあります。

「ドトールのち、はれやか」

これは皆さんが朝の眠気覚ましにドトールに寄ろう、ちょっと疲れたからドトールに寄ろう、雨降ってきたからドトールに寄ろう、気晴らしにいつもの友達とドトールへ行っておしゃべりしよう、あの店の元気な店員さんに癒されたいからドトールへ行こう、このような想いを述べた言葉です。ドトールの経営理念である「1杯のコーヒーを通じて人々に安らぎと活力を提供する」まさにこの言葉の実現が「ドトールのち、はれやか」、はれやかな気分に切り替わってほしいし、そのように送り出したいという想いにつながります。

19年間いつも言われること

しかしながらいつも僕たちはお客様にこう言われるんです。
「いつも満席で座れない」
「お客を店内に詰め込みすぎ」
「店内で長居している人ばかりで困る」
接客やサービスについてももちろんご指摘があるのですが、最も起こる問題が時間と空間に関する苦情が多いんです。ドトールって出勤前、電車などの乗り換え待ち、お昼休み、お仕事やお出かけの一息などほんの合間のひと時を求めているわけなんですよね。だから座れないと他の店を探したり、あきらめたりしてしまうんですよね。自動ドア開けて入って混雑を見た瞬間に舌打ちして出て行ってしまうんですよね。本当に申し訳ない。

長時間のご利用はご遠慮ください。

そこで僕らはこのタイトルにあるように「長時間のご利用はご遠慮ください」のPOPを旗印にお客様に声をかけに行くのです。「すいません、他のお客様がお待ちなので・・・長時間のお勉強はできれば・・・」

実際このような言葉を言って気持ちいい顔されたこと、一度もありません。さらに言うとこうして席を空けていただき、待っていたお客様を誘導して「ありがとうございますっ!」と喜ばれるものの数時間後にはこのお客様に「長時間のお勉強は・・・」と声をかけに行く始末。そしてこの長時間の定義って全くないんですよね。他店や他の飲食店の仲間に聞いても1時間制、2時間制、中にはなんと30分制の店もありました。時間に関する判断基準もルールもないし、さらに言うと着席してから何分みたいなストップウォッチもないから実測値も曖昧なんですよね。だから声掛けるにしてもトラブルは起こるし、アルバイトにこんな感覚値に基づく仕事なんか教えることができないんですよね。

こうしてお客様も店員からもこの時間と空間の問題は一向に解決しないんですよね。居酒屋もそうですよね。一通り飲み食いしてしまうとあとは胃袋はペースダウンし、あとは会話が延々続いてしまう。私達の船橋駅南口店のミッションを「皆様の大切な時間を最大化する」としたときに、時間の合間を縫って来て下さる方も、おしゃべりに来て下さる方も、勉強したい方も、テレワークしたい方も喜んで迎えられるようなお店じゃないとこの街の心のインフラとしての存在意義がなくなってしまうんですよね。

僕が席の価値についての想いの原点はこちらの記事もありました。コロナ前からずっと思ってきたことなんですね~こちらもお時間あればぜひお読みください。

時間と空間の価値

世の中に”Time is money”という言葉があるように時間と空間に価値をつけていない商売だからこうなるんじゃないかと思うんです。今までは一杯のコーヒーをさっと飲んでさっと出かける人が大多数だったからその1杯の代金にその価値が内包されていると解釈できるかもしれません。しかし、カフェでの過ごし方が多様になった今、商品とそれ以外の価値は分離させても良いのではないかと思うんです。

座席を購入する

そこで双方が気持ちよく過ごすことができるように座席と時間をスマホで気軽に買えるお店にしてしまいます。いきなり全席ではないです。大混乱になりますからね・・・。特定の席を15分単位で購入できるような仕組みにしました。場所と用途によって座席の価格も違います。もちろん席と同時にドトールのメニューも購入できるようにしてあります。
エキナカやオフィスタワーにあるようなテレワークブースを利用したことがある人はわかりますよね。そのようなイメージです。

座席予約の将来

グリーン車や飛行機やグリーン車や映画館ではもう一般的ですよね。同じ空間で同じ目的(どこかに移動する、映画を観る)でも事前にキープできる権利や特別な席にはインセンティブが上乗せされる。これを最終的には全席に導入できれば良いなあと思います。もちろん予約なくても座っていいところもあるんですよ。しかし、後ろに予約されていれば予約が優先されるだけ。予約が一般的になれば英会話のレッスンスケジュールも組めちゃうし、そして勉強スペースの確保に親御さんが子供のために席を買っておくというのも安心ですよね。今までネガティブに思っていた類のお客様をロイヤルカスタマーに視点を変えられるんじゃないかなと思っています。

全ての業界がそうなってほしい

今回はこのような席を変える仕組みを始めるのはカフェチェーンとしては初めての事例かもしれません。その一番乗りっていうのは僕はあまり喜ぶものではありません。できれば多くの方が僕の店舗の事例を見て真似して各社、各業種が導入してほしいなあと思います。並んだり、待ったり、探したりするだけで皆さんの大切な時間ってあっという間に10分、15分すぎてしまうんです。だから店内ではもっとその10分、15分を早く座って少しでも多く本が読めるように、少しでも多くお友達や同僚とお話しできるようになって欲しい。そんな社会になってほしいと考えています。

5月20日金曜日オープン

そんなこんなで5月20日に「新生」ドトールコーヒーショップ船橋駅南口店がオープンします。予約ページについてはまた後日発表させていただきます。すべての人に「ドトールのち、はれやか」を提供できるように。本日は時間と空間の価値についてのお話でした。

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