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【感想会】映画『オッペンハイマー』〈この後、話しませんか?#1〉【書き起こし】

映画『オッペンハイマー』について、マカ・ママレードと犬のタイラー君が感想をおしゃべりします!
※物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください

映画『オッペンハイマー』
STORY
科学者オッペンハイマーは第二次世界大戦中、「マンハッタン計画」に参加し、原子爆弾の研究を進める。計画は成功するのだが・・・。
2023年/アメリカ/カラー・モノクロ/180分
監督・脚本 クリストファー・ノーラン
出演 キリアン・マーフィー

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※この記事は、こちらの動画・Podcast を書き起こしたものです。


犬のタイラー君「面白かったですね、『オッペンハイマー』」
マカさん「そうですね。見ていて、こんな話だったんだ!ってびっくりはしましたね。最初に予告編を見たときは、マンハッタン計画が主軸になる映画だと思っていたんで、後半会話劇が主になる展開にはなんか意外な印象を受けたというか。」
犬のタイラー君「聴聞会と公聴会のシーンが主になるんですよね。」
マカさん「そうそう。聴聞会の舞台は長細い狭い部屋で、カットはほぼ人の顔のアップだけなのに、全く退屈ではなかったです。」
犬のタイラー君「編集が上手で、チャカチャカと慌ただしくもなく、かといって緩慢にもならず、何というか観客の興味を持続させるようなリズムを保っていましたよね。」
マカさん「あと、公聴会のシーンは、モノクロのフィルムが醸し出す重厚感と共に、ロバート・ダウニー・Jr.が演じるストローズの狡猾さと哀れな小物感を堪能できたのが良かったなあ。」
犬のタイラー君「モノクロと言えば、モノクロとカラーの映像が交互になる構成の意味は、見てる間・・・わかりましたか?」
マカさん「意味?どういう意図の構成かっていうこと?」
犬のタイラー君「はい。」
マカさん「正直、最初は全然わかんなかったです。あのー、何となく『こんな感じかな?』というのがおぼろげに見ている間わかってきたかなという程度です。」
犬のタイラー君「私は前に『メメント』を見たことがあったんですけど。』
マカさん「はいはい。」
犬のタイラー君「あ!『メメント』と一緒だ!と思ったんですよね。でもちょっとルールが違うなという。」
マカさん「そうなんですよ。僕も全く一緒で、『メメント』が頭に浮かんじゃったもんだから、そのつもりで見てたんですよ。でも、『あれ、これ『メメント』と違うルールで白黒とカラーが切り替わってない?』と思ってから結構混乱しました。」
犬のタイラー君「あと、時代が二つある上に、回想シーンも始まるじゃないですか。」
マカさん「だから、三つの時代の話になるんですよね。」
犬のタイラー君「すごい多層的な話になってくるので、一回見ただけじゃ、理解が追い付かないなと思いました。」
マカさん「うん。複数の時代がいっぺんに語られて、違う登場人物の視点も入ってくるという。それが3時間もありますからね。見るのに体力はいると思います。」
犬のタイラー君「あと、音響がすごくなかったですか?」
マカさん「すごかった。トリニティ実験のシーンは飛び上がって驚いたな。」
犬のタイラー君「ね。あのシーンの爆発音は、ただ大きい音で迫力があるだけじゃなくて、ちゃんと怖さも感じる。」
マカさん「本作はIMAXで撮影されたわけだけど、今回は僕たちはドルビーシネマで見たんでね、IMAXの魅力はまだ体験できてなくて。でも、先ほどから言っているように、音が重要な映画だと思うので、全然『見劣りするなー』なんてことは思わなかったですね。近々、IMAXの方もチェックしてみたいと思ってますが。あとは、そうですね、僕は見ている間思い出した作品が『ゴッドファーザーPARTⅡ』なんです。『ゴッドファーザーPARTⅡ』も公聴会のシーンが印象的だし、あと、三時間以上の長尺っていうのも『オッペンハイマー』と同じだし、あとは、デ・ニーロとパチーノの二つの時代を交互に描く構成も、今作の複数の時代を描く構成に通じるものがあるなあと思いました。」
犬のタイラー君「なるほど。それは思いつきませんでした。連想したのは、他のクリストファー・ノーランの作品です。物理学の要素は前作の『テネット』から引きつがれていたと思います。」
マカさん「はい。確かにそうですね。それから、原爆の描写について、途中で原爆の被害状況の幻をオッペンハイマーが見るシーンがありますが、もうちょっとここは、広島・長崎の被害の実情に即した描写にした方が良かったのではと感じました。」
犬のタイラー君「今作では、あえて描かないという手法を取ったんでしょうね。」
マカさん「そうだと思うんですが、だとしたら、全く描かないことに徹するか、もしくはもっとちゃんと描くか、どっちかはっきりさせた方が良かったかなと。」
犬のタイラー君「この描き方のバランスでも良いかなとは思いましたけどね。」
マカさん「まあ、そうかもしれませんね。」
犬のタイラー君「マカさんは原作も買ったんですか?」
マカさん「そう、原作も買いましたが、まだ読んでないので早く読みたいです。とにかく、さっきも言ったように、すごい情報量の映画なので、一回だとなかなか理解できないところもあって。原作を読みつつ、複数回映画を観てきちんと背景を理解したいと思います。」


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