この時点での007決定版~映画『007/私を愛したスパイ』感想(ネタバレなし)~

(以下、映画『007/私を愛したスパイ』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)


『007/私を愛したスパイ』を見た。
これも小学生の時、テレビ放映されたものを見たのが初見だったと思う。

ソ連のスパイとボンドのバディものとして楽しめる。
水陸両用の自動車など、シリーズでおなじみのワクワクする秘密兵器も見るものを引き付ける。
金儲けを目的とせず、世界の滅亡を願う男という敵の人物像は、後年の『キングスマン』などに引きつかがれているものだろう。また、そういったシリアスな造形とバランスをとるかのように、歯が金属でできた怪力の「ジョーズ」という名の男が手下として登場するが、その不死身っぷりには恐ろしいというより可愛らしさすら感じる魅力がある。
後年の作品にみられるシーケンスと言えば、冒頭の潜水艦のシーンとスキーで崖をジャンプした後パラシュートで降下するシーンは、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』がオマージュを捧げていると思われる。
後のスパイ映画にも影響を与え続けるような、この時点での007決定版と言える作品なのではないだろうか。

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