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二度と撮れない写真/#178

写真は時間を止める唯一の手段だと言える。今その瞬間をピタッと写し込み、目に見える形で未来へ残る。ただ当たり前のことだけど本当に凄いこと。そんな写真に出会えたことを心から嬉しく思うし感謝している。なぜなら写真に残すことの尊さを知ったからだ。

写真を趣味として始めた頃は風景やスナップを撮っていた。その頃は写真友達はおらずもっぱら目の前の景色と会話しながらシャッターを教えていた。そんなある日、いつものようにカメラを持って玄関を出る時におじいちゃんが声をかけてくれた。

照れ臭そうに、けど嬉しそうに一言「遺影を撮ってごせぇ」と。不謹慎だなと思いつつ大好きなおじいちゃんにカメラを向けた。これが家族を含め人に向けてカメラを構えた始めてのことであった。この頃から家族を撮るようになった。次第に人を撮ることの楽しさを覚え、友達を中心に人物撮影に興味を抱くキッカケにもなった。

自分にとって忘れられないキッカケを与えてくれたおじいちゃんはこの世にもういない。葬式が終わればその肉体は無くなり物理的にこの世に存在せず空虚感が生まれる。しかし写真に残っていることで見返すとそこに生きているような感覚になる。心の中に生き続けると聞くけれど、より生き生きした姿になる一助に写真があると言える。もう二度と撮れないけど撮ってて良かったと思うことはこの出来事以上にありません。

だからこそ身近な人や日々の日常は撮れる時に残しておくことをオススメしています。今を生きた記録、誰とどこでどう過ごしたのか。その記録であり記憶はまさに宝物だと言える。また今度やまたの機会になりがちだけど、今撮ろうという考えで向き合ってもらえるとあなたの人生は豊かになるかもしれない。


 SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影 / 写真イベント企画  / 鳥取のPR活動も行なっている。
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