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35mmレンズが「恋人レンズ」と言われる理由が分かった気がする。

カメラを語るうえで欠かせないレンズのお話し。
使うレンズにより写真の表現は大きく変わります。

レンズは大きく分けて以下の2つに分類されます。

ズームレンズ:利便性が高く様々なシーンで柔軟に対応できる
単焦点レンズ:画角は変えれないがボケを活かした表現をしやすい

それぞれの特徴が分かると、どんな写真を撮るかでレンズの選択肢が変わりますね。
今回は別名「恋人レンズ」と呼ばれる35mmの単焦点レンズについて話します。

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距離感について

カメラを持っていたら、目の前にいる大切な人を写真に残したいですよね。それは恋人だけでなく、お子さん、両親、友達、同僚など様々。写真を撮るうえで距離感は重要です。なぜならレンズに最短撮影距離が存在するから。例えば最短撮影距離が50cmならば、最低でも50cm離れなければピントが合いません。どれだけ近づいて撮りたくても50cmより先には寄れないのです。

いつもの距離感である程度の情報を交えて撮ろうと思うと、近寄れて背景の情報を入れる余裕が欲しくなりますね。

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例えば50mmのレンズ。カフェなどの室内ではファインダーを覗くと近く感じると思います。カフェで向かいの人を撮る場合はテーブルの料理やお店の雰囲気と一緒に撮れず、その人の肩から上が画面いっぱいに写ります。この写真はちょうど空いていた後ろの座席から撮りました。こういう環境ではどうしても一歩、二歩下がりたくなるもの。

パーソナルスペース

みなさんはパーソナルスペースご存知でしょうか?
なんとなく知っている方も多いと思います。お互いの関係性で許容できる心理的スペースのことです。

固体距離:45cm~1.2m
二人が共に手を伸ばせば相手に届く広さです。友人や会社の同僚など親しい人であればここまで入っても不快になりません。レストランやカフェでテーブル越しに話すくらいの距離です。お互いの表情が読み取れる距離感でありながら、両方が歩み寄ることで初めて手を触れ合える距離であることがポイント。

密接距離:0cm~45cm
手を伸ばさなくともボディータッチができる広さです。顔がとても近い位置にあり、キスやハグが容易にできます。家族や恋人など、親しい人がこの距離にいることは許されますが、それ以外の人がこの距離に近づくと不快に感じます。

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普段関わる友人、恋人、家族はこの個体距離と密接距離の範囲です。距離にすると約40-50cmの距離感を無意識のうちに維持しています。つまり、この距離でカメラを構えたときに周囲の情報が適度に入る画角を考えると35mmレンズにいきつくのです。

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35mmレンズの最短撮影距離は25-40cmの間がほとんど。グッと寄れるしサッとファインダーを覗いたときに見える視界はやや広い。カフェで真向かいに座っている人にカメラを向けても程よく背景が写りその場の臨場感が伝わります。先ほどお伝えしたパーソナルスペースの約40-50cmの距離感でカメラを構えても、近すぎず程よい距離感に感じます。

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恋人レンズである理由

その理由はいつもの距離でいつも見ている光景をサッと残せるから。これがとても大切な要素だと思います。ぼくはなにげない日常が好きで、よく写真に残してます。そこで大切にしているのはありのままであること。ぼくが大好きな50mmレンズはいつもの距離感で構えると近いため離れる必要があります。これはいつもと違う距離感で撮ることになります。カメラで撮る時点で非日常要素が増えますが、さらにその要素が強まると感じています。もちろんそういう写真も良いのですが、あくまでもいつもの距離感を大切にする場合の考えです。

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写真を見返しながらあの頃の記憶にタイムスリップできる。日常を写した写真にはそんな効果がある。それはその写真がどこでいつ撮られた写真か分かるから。そのためにも、いつもの距離感で撮っても、背景がほどよく写る35mmレンズがベストだなと感じています。だからこそ大切な人との思い出を残す「恋人レンズ」として今後も使い続けていきたいですね。

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35mmレンズについて書いた以前のnoteも併せてご覧ください

最後までご覧いただきありがとうございました。感想や意見もお待ちしております。あなたにとってお気に入りのレンズを教えていただけると幸いです。

SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影
写真イベント企画 / 鳥取のPR活動も行なっている。
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「ONE SCENE」というWebサイトで紹介されました


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