医薬品エンジニアリングの色々

私はこれまで約18年間、医薬品工場の工務部門のエンジニアリング業務に携わってきたが、先般、他の医薬品メーカーに転職をし、CMC研究所のエンジニアリング業務に携わることになった。これまでは工場で設備の導入や保全といった現場業務を行っていたが、これからは研究所で設備の開発や工場への導入支援を行うことになる。CMC研究なので医薬品の製法を決めて設備構築を行うのが主なエンジニアリング業務となるが、工場導入の際の設計、工事監理、試運転・バリデーションといった工場工務部門への支援業務も含まれている。前職ではCMC研究所にエンジニアリングの部署がなかったため、新しい製法での設備を導入する際に設備構築がうまく行かず、結局現場での立ち上げに至らなかったこともあったが、今思えば、CMC研究寄りのエンジニアリングスキルが不足していたのだと実感している。

結局のところ、エンジニアリングとは、既存の技術を用いて、または新規技術を開発して、安定生産するための設備やシステムを現場に構築する仕事であり、研究部門にも製造部門にも品質管理部門にも生産管理(調達)部門にも工務部門にもそれぞれエンジニアリング業務があり、世間一般的には、エンジニアリング業務の割合が大きい工務部門をエンジニアリング部門としているところが多いと思う。しかしながら、工務部門だけでは設備構築をすることはできず、様々な部署のエンジニアと協力しながら、あるいはエンジニアがいない部署があればそこのエンジ機能を他の部署のエンジニアで補完するようなマネジメントが必要になると思う。そういったトータルエンジニアリングの役割をプロジェクトエンジニアが担うのが良いと考えており、エンジ会社でなく一般のメーカーであっても必要な機能であると考えている。

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