寛容で不便なフランス、便利で非寛容な日本①

別に、「ほら、フランスのほうが素晴らしいよ!」とか「やっぱ日本が一番だわ〜」とかいう話ではない。
国が違うと、人々の動き方が違うよな〜、と思う。
人の動き方なんて人によるだろ、というのはその通りなのだが、国民を大きな塊として捉えたら、傾向があるよね、みたいな話をしたい。


と、いうことで。日本に帰国するたびに感じるのは、便利〜、過ごしやす〜い!ということだ。
ドラッグストアで見つからないものがあったら、店員さんに聞けば打てば響くように答えが返ってくる。
大学でちょっと次の授業まで時間があるな、お腹が空いたな〜と思ったら、コンビニなりファミリーレストランなり定食屋へ行けば千円くらいで満足に何か食べることが出来るだろう。

フランスでは、そうは簡単にいかないことが多い。店員さんに「これを探しているんですが…」と聞くと、「ないならない!」とか「あっちの方!」とか言われるのは良い方で、「これだよ!」とパッケージが似ている全然違うものを渡されたこともある。


インフルエンサーがプロデュースした今日から発売というアジェンダ(スケジュール帳のようなもの)をうきうき本屋さんに買いに行ったときなんかも凄かった。



〜ことの顛末〜


私、レジにて「今日発売のこのアジェンダ、ありますか?」
レジの店員さん「そういうのは同僚が担当なの。その人に聞いてみて!あっちの方にいるはず!」

↓その同僚を見つける


同僚の店員さん「う〜ん、在庫はあるらしいんだけどねえ…。あ!この本屋のもう一つの棟にあるのかも!行ってごらん!もう一つの棟とは地下に行ったら通路で繋がっているから!」


↓もう一つの棟に行ってみる


もう一つの棟のレジ「そのアジェンダならたぶん、この棟の2階にあるよ」

↓2階に上がる


その棟の2階にいた店員さんA「う〜ん…。どこかな、あるっぽいけどねえ…。ねえねえ、(もう1人の店員さんに)このアジェンダ、知ってる?」

店員さんB「見たような気がしなくもない…。ねえねえ君(私に向かって)、これってむしろ文房具屋にあるんじゃないの?文房具屋には行った?」

私「え、文房具屋?!(ここまで来て今更?!)」

店員さんB「あ、もしかして君、フランス語分からない?えーっと、英語で文房具屋さんは…えっと…ステエーショネリイ…かな?」

私「いや、私あなたの言ってることは分かるんですけど…」

店員さんA「あ!見て見て!ここにあったわよー!良かったわね!」

〜一件落着〜

とほほほほ。この登場人物の誰にも、悪気はないのだ。むしろ親切。
でも、こっちだってスタンプラリーをやってんじゃないんだから…と言う感じだ。
日本の本屋だったら、5分くらいで同じ結末まで辿り着けたんじゃないだろうか。

でも、ひっくり返して言えば、日本で働く店員は訊かれたことに完璧に答えることが期待されているのだ。日本では店員は、機械みたいな精密さを求められることが多い印象を受ける。

例えば、私が日本で大型アメリカンスーパーで試食販売員として働いていたとき。
1日中お客さんの前に立つわけだが、水を飲むときはお客さんに見えないように、試食販売のワゴンの裏にしゃがんで水を飲むことが定められていた。

これを外国人の友達に話すとびっくりされることが多い。「なんで?」と訊かれて「こっちは働いているのにお客さんの前で休んでお水飲んだら失礼とされるみたい」というと「人間なんだから水は飲むでしょ」と。確かに。

これも違う見方をすれば、
日本ではスーパーという日常的な場所であってもお客さんに最大限のおもてなしの心を忘れずに、ということなのかもしれない。

他にも、フランスだったりアメリカでは
スーパーのレジで店員が座ってレジ打ちをすることがほとんどだ。日本では座ってレジを打っている人を見たことがない。これも「失礼だから」だろうか。


どっちが良いとか分からないけど、買い手としてスーパーに行くなら日本が、売り手ならフランスが楽そうである。


突然だけどだいぶ長くなったので今回はここら辺で終わる。
(また他に書き続けたいことがあったら)②に続く(かも)。




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