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小沢健二 LIFE再現ライブ 

 九段下へ向かう地下鉄のホームで、自分の着ている歌詞の書かれたTシャツの、色違いを着た親子を見かけた瞬間からなにかとてもこみあげてくるものがあった。台風10号が日本列島に居座る中、日本中からオザケンを囲む30年ぶりの同窓会に武道館に集まっている。そして、九段下の駅を降りて地上に出ると、「北海道から来ました チケット1枚ゆずってください」とマジックで書いた段ボールを掲げている自分と同じ歳くらいの男性。はたして彼は無事にチケットを手に入れることができただろうか。でもきっと大丈夫。防音がしっかりしていない武道館は、きっと外からでも同窓会に参加できたはずだ。

 小沢健二を初めて知ったのは、1994年の夏、当時洋楽を中心にかけていたJ-WAVE で、アルバム「LIFE」の一曲目「愛し愛されて生きるのさ」を偶然聴いたときだった。ちょっと鼻にかかったような声で、ギターのリフに合わせて、「とおり雨がコンクリートを染めてゆくのさ 僕らの心の中へも浸みこむようさ」という歌詞、その瞬間にノックアウトされた気分になった。そして、CDを買うだけでは満足出来ず、生まれてはじめてギターまで買って練習した。

 そんなアルバム「LIFE」を完全再現するという武道館ライブ、普通の気持ちではいられる訳がない。名曲「今夜はブギー・バック」で一緒のスチャダラパーさん、東京スカパラダイスオーケストラの方々、指揮者・服部隆之さん率いるハープも入ったフルオーケストラの方々、ジャズピアニスト・渋谷毅さんほか演奏者の方々、そして「LIFE」にノックアウトされた日本中のオザケンファンの皆さんとその子ども達、そして30年ぶりの同窓会の中心だった小沢健二さん、素敵な一日をありがとうございました!!

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