経験者からのアドバイス 五十肩闘病日記 その2


 同病相憐れむではないが、同じ病気の人には、妙な親近感が湧く。お互いに病状や治療のことを話したくなるし、どんな治療をして良くなったのかとか、どこの先生が良いとか悪いとか聞いてみたくなる。そして「お互い辛いけど、頑張りましょう」と言いあって、何か不思議な結びつきが生まれる。

 私が前回4、5年前に現在とは反対の左肩の五十肩になってしまったとき、職場で肩が痛いことを少しためらいながら話すと、思いの外多くの人生の先輩方が、昔、五十肩を患っていたことを知った。「それは辛いねぇ。実は昔、自分も五十肩をやってその痛みはよくわかるよ」「車のシートベルトする時に痛いよね」「服に袖を通すときに痛かったなぁ」「アイロンがけの動作をすると肩を適度に動かしてよくなるよ」などなど、皆さんの経験者としての共感やアドバイスをいただき大変ありがたかった。それに加えて、何より私を安堵させたのは、経験者の方々一人残らず全員が、半年から一年位で肩の痛みは良くなって普通の生活を送っていることだった。そして先輩方と同じく私の左肩の五十肩も一年弱ですっかりよくなり、私も病気の経験者の仲間入りを無事に果たすことができた。経験者としての余裕を見せ、五十肩の初心者に共感しアドバイスをする立場になっていた。

 しかし、今回、前回と反対側の右肩の五十肩になってしまった。根拠のない自信で右肩はよく動かしているし、大丈夫なんじゃないかとたかをくくっていたが予想は外れた。痛みは辛いものだ。左肩の五十肩の経験者として、右肩の五十肩の初心者としての自分に、余裕をかましてアドバイスできればいいのだろうが、私の中の余裕は痛みの中どこかへ吹き飛んでしまった。日々を肩の不意な痛みに怯えて生きる情け無い状態に戻ってしまったのである。

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