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⑤両親への不満と不信

5年付き合った彼も、高校の時から地元の仲間とやっていた。
私は、親とか進学とかあるし、そもそも法律違反、絶対に手を出しちゃダメだと思っていた。
タバコも吸ってなかったし。

しかし大学に進み自由になった私に大麻は、あまりにも普通に、自然に入り込んできた。
この植物とはこの先10年以上付き合うことになる。

だいたいは、店員の家でパイプを回していた。
留学生で店の常連の外国人と3人で。
時にはバイト中、バックヤードで一服してから店に出る。
店員の地元仲間と私の大学の友達、みんなで川でバーベキュー。
その時も誰かが大量に持参してきて、やる人はコソコソ隠れながら吸っては爆笑していた。
だいたい店員がいつも一緒で、他の仲間を交えて煙を分け合う。
私は、重くあったかくなった身体と赤くなった目で毎度店員に見惚れていた。
なんでか全てがカッコよく見えていた。

またバイト終わりに店員の運転でクラブに行く。
そこでも、一服して遊んで、近くのお蕎麦屋さんで爆食いしてマンションまで送ってもらった。
その日、店員に告白された。
嬉しかったけど、他でも色々と遊んでいたし、店員の事が好きだったから、まだ自分は真面目に人と付き合える状態じゃないと断った。
しかし店員に、大丈夫だからと言われて告白を受け入れた。

父が出張でたまにマンションに来る。
大学の友達に会う事もあった。
父が友達を見て、印象が良くないと言っていたと母から聞かされた。
勉強する為の大学なんだから、とにかく勉強に励め、留年もありえない、4年でしっかり卒業しなさい。
長期休みはすぐに実家に帰ってくる事。
大学に入ってからは、母より父に会う事の方が多い。父から説教を受ける事が増えた。

にしても私の大学生活は勉強とは無縁。遊びまくっている。
ヤバいな、1年でとりあえず31単位は取れた。
けど、2年になってから全然大学に行ってない。
外国語はもう出席足りなくて落とす事がわかっている。
バイトの次の日は、まず起きれない。
バイト以外の日も、夜遊んでいた。
もう無理かも。もう色々言われるの本当に嫌なんだよ。

そんな風に思っていた頃、父からの月13万の仕送りが2回に分けて振り込まれたり、いつもより少し遅れたりするようになった。
仕事が少し大変で、分けて振込む事があるけど問題ないと父が言った。
父の事が心配になった。
進学の時、部屋探しを2人でした際に滞在先のホテルで初めて父とお酒を飲んだ事を思い出した。
どういう流れでその話になったかは覚えてないが、凄い事を言っていた。
姉の結婚の際に父がブライダルローンを組もうと銀行へ行った。
そしたら、ローンが組めず調べてみたら父のカードで母が数百万借金をしていた。
父はすぐそれを返したが、そんな事があったから
自分が死んでも母には財産を残すつもりはないと。
急に大人の話をされたようで、私はポカンとしていたと思う。
それは今回の仕送りとは関係していない。
けどなんか、母のやった事と父の言葉、今回の父の状況で、はっきり言えないけど親の威厳が薄くなった気がした。
威厳ある親への絶対的な安心が不信に傾いた。

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