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呑み屋さん回想・松山「赤丹」カウンターで呑める老舗(閉店)

3年前の2018年9月。出張で松山に伺う。金曜の夜に取引先とスタッフ一同で会食。そして翌日の土曜日、朝から取引先と一緒に松山市内の何箇所かを訪ねる撮影に同行。

予定では、15時過ぎに終了して、17時台のフライトで東京に戻るスケジュールだったが、思いの外早く業務終了!飛行機の時間までちょっと時間が空くことに( ̄ー ̄)ニヤリ

そこで同僚と一緒に「1時間くらい呑みに行きますか!!」ってな具合になって、関係者へのご挨拶を手早く済ませることに。(関係者のみなさま、ゴメンナサイ!)

空港へのアクセスも考えて松山の市街地でお店を選ぶことにして、「お店どうしよう?」となって思い出したのが、おでんのお店「赤丹」さん。

このお店は、私が大好きな松山の呑み屋さんの大将から教えてもらったお店で、いつも昼2時頃から開店して8時には閉店という、昼呑み大歓迎のお店。でもって、昭和6年創業の老舗で、呑兵衛たちがゾロゾロ集う松山では人気の酒場だと聞かされていたんです。

出張では、松山に行く回数が相当多かったので、毎回「赤丹いってみたい!」っていう想いを募らせていたんですが、如何せん閉店が早いんで結局行けず仕舞い。ってな訳で、ここぞばかりに同僚を引き連れて暖簾をくぐることに。

お店に入るとカウンター。呑み屋さんのカウンターって、なんだか魅力的。そう思うのは自分だけか?

さて、同僚くんと2人並んでカウンターに。カウンター越しには、かなりご年配の女将。

そして、年季の入った「おでん鍋」に美味しそうなおでんたちが、お出汁の中でじっと出番を待っておりました。

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おでんはもちろん旨いんですが、私が気になってしょうがなかったのは、この「おでん鍋」。鍋を囲む木枠の両サイドに丸い蓋が3つずつ。

これは熱燗をつけるチロリ。こんな「おでん鍋」初めて見ましたが、もうこの「おでん鍋」に首ったけ(笑)ずっと使い込まれている感じと何よりチロリが付いているというこの造り。まさに「おでんを肴に熱燗でも呑みさない!」と呼び掛けられているかのよう(空耳)。

ってな訳で、おでんと熱燗を頂きながら同僚くんと仕事の疲れを癒やして、ホッとしていたのでした。

お店にいたのは1時間ほどですが、カウンターで一人呑んでいたオジさんに声を掛けられ「ここのおでん、旨いだろう。俺は毎日のようにここに来るんだよ。ここで呑むのが一番いいね。」なんて話を伺ったり。

そしたら女将さんが声掛けてくれて、これから飛行機で東京に帰ることを伝えると、時間の心配してくれて、空港までのバスのことを教えてくれたりして。

こういう老舗の呑み屋さんって、そこに集まるお客さんとずっとお店を切り盛りしてきた女将さんや大将とが、時間を掛けて味を出して来たんだろうと思った訳です。

ただ残念ながら、こちらの赤丹さん2019年2月に閉店されたとのこと。女将さんの体調が良くなかったようです。

それを知らされて「一度あのカウンターで、一人呑みしてみたかった」と悔やんでみたり。

そして、あの「おでん鍋」は果たしてどうなったのか。メチャメチャ気になったりして・・・

こういう老舗の呑み屋さんを何とかして残していきたい。コロナ禍だからこそ、なおさらそのようなことを考える今日この頃なのでした。