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迫り来る大災•内乱の予知

第二次世界大戦中、日本政府は兵力を補うために朝鮮の人々を日本人にし、戦地へと送り出した。彼らは日本のために戦うことを強いられ、命を賭けて前線に立った。しかし、戦争が終わり、日本は敗戦国となったとき、その帰属は一変した。かつては同じ日本人とされた朝鮮の人々は、突如として区別され、法的にも社会的にも排除された存在となった。

日本に永住することを余儀なくされた彼らは、国籍や法的地位の問題から正規の職を得ることが難しくなり、生き延びるために裏社会での活動に身を投じざるを得なかった。彼らは、歴史の歯車に巻き込まれ、国家の都合に翻弄される悲劇の存在となったのである。

このような事例は、日本に限らず、多くの国で見られる。経済が停滞し、労働力が必要とされる時期には移民が歓迎されるが、やがて経済が回復すると、彼らは社会から排斥され、周縁化される。彼らの生活は、国家の利益のために利用され、捨てられるという構図に縛られ続ける。

この根底には、生物として自分と違う者を悪者に仕立て上げる事で、自らを守ろうとする本能や同族愛などが複雑に絡んで居ると思われる。


🪬


私は祠の前にいた。その時に神様と話した。正確には神かは判らないが、自分より上位の存在だと言う事は分かった。

私は、ろくに働いた事が無いので上司などいた事が無いし、ムカつく奴は先輩だろうが戦って対等な立場へと上り詰めてた。父親も早くに忌んだので私は誰から命令されると言う経験が殆どない。絡んで来たヤクザや輩は全て返り討ちにして無敗なので誰にも頭を下げた事が無かった。

だからこそ、頭に中に語り掛けて映像を見せて来てる存在は、自分とは次元が違う上位の存在。此の存在の命に従わなければ私は存在してる痕跡事消されて無かったものにされるような感覚を本能的に感じた。逆らおうとすら思えないような感覚だった。

その時の映像は至る所で噴火して辺り一面が火の海になり、血と炎が一面を埋め尽くしながら人々がお互いに殺し合ってる映像だった。

その映像を見た時に、私は人口が減少していき社会経済が成り立たない國で、貧困に喘ぐ人々が長い間ずっと政府に弾圧され続けた先に起きる天変地異や、外国の内政干渉など色々な事が重なり合い起きるべくして内乱が起きると感じた。これは私の先祖である薩長の明治新政府軍が、幕府と戦う際に英国と手を組み新式銃などを輸入してた事からも予見出来る未来だった。

経済低迷が避けれられない国難の中で、その原因を政治のせいや外国のせいにして悪者を仕立て上げ、人々を甘い言葉で誘惑して支持を得ようとする権力を渇望する者は必ず現れる。

そして、それが若者と老人の人口比の均等が取れる未来で、今度は人種による違いを旗印に決起を呼びかける事態が訪れる事は安易に想像できた。

自分が今観ている地獄のような人々が殺しあう戦争は、外国に攻められる訳ではなく、国家の分断で同じ國同士の人が殺し合ってる未来に感じられた。私の先祖が築いた法律や選挙システムは明らかに欠陥だらけで、政治家の不正も取り締まらない警察のトップは内部だけで秘密裏に決定され法律を国民に強要してる。海外からも人権が守られてないと度々指摘を受けているのに一切変えようとしない。私の住んでる國は民主主義を装い先進国の振りをしてるだけの、権力者を存続させ続ける事を重点に築かれたとんでもない利権国家なのだ。

子供は産まれず、利権のおこぼれにあやかった老人世代が長い間、多数を占める状況が続く。産まれた時から死ぬまで老人に搾取され続ける事が続く世代全員が選挙に行っても数学上、その意思が反映される事はないだろう。暴力で平和を押し付け維持していく弾圧による平和が、私が老人になるまで続く。革命運動は起きるべくして起こり、一つの支配と抑圧の歴史が幕を閉じる。それが人間が繰り返して来た、支配構造を移り変わり行くプロセスだ。


🪬


私は神に言った。「大災を祓う事は不可能です、私には何も出来ません」

無数の思念が私を襲った。「何の為にお前は今まで生かされてると思っているのだ?」「今まで遊んで来れたのは、此の使命を果たす為だ。」

確かに、恵まれた自分の人生を振り返ると『このまま嫌な事を一つもしないで、遊んで終われるだけの偶然ラッキーな星の元に産まれた人』で済むわけないよな…と、何処か解ってたような気がした。

しかし、此の大災を祓う方法が全く浮かばなかった。私は答えに辿り着く為にも、そして祠で聴こえた声の正体を探る為にも、まずその祠について調べた。その祠は大和武尊を祀っていた。大和武尊は人間の為に神と闘いまくった武神で、最後は神により殺されたと伝承が残ってた。神をも恐れぬ私と如何にも相性が良い神様だなと感じた。

偶然はこれだけでは無く、大和武尊が日本に降り立った天孫降臨の時に、大和武尊を道案内したのが天狗だと言う事がわかった。此の時に死んだ父親が天狗の格好をして私の前に現れた事と、私の家の家紋が如何にも天狗の扇のような棕櫚紋だった事が、まるで一本の線で繋がるように紐付けされた。此れは完全に人智を超えた力が働いてるとしか思えなくなった。

私の祖父は裁判官で、かつて部落解放同盟関連の裁判を務めた事もあり、その時に家族に護衛が付いた話などを聞いた事があった。また、父親は雑草学の教授で、バイオテクノロジーと関係する研究職についていて、私が小学生の時にテレビで猛批判されていた遺伝子組み換えについて私に尋ねて来た事がある。「近い将来に世界は食糧難になるから、育ちやすい植物を作る必要が有る。リュウケイはどう思う?」と聞かれた事があった。私はその時にこう答えた「人間は神様の領域を犯すべきじゃない。生命を弄ってまで生き延びようとするべきじゃないと思う」その言葉を聞いた父親は寂しそうな表情を浮かべてた。

飢えて死ぬのは顔も知らない遠い国の人達で自分とは関係ない。父親は仕事で色んな国を周ってたから、神の領域に踏み込んでまで世界から飢餓を無くそうとするのだろうか?と思いながらも、何故父親が世間でバッシングを受けてる『悪い行為』を続けるのかよく分からなかった。


🪬


きっと大災は色んな陰が重なり合い起こるべくして起こる。それは避けられない運命なようなものだ。弱い者を虐めようとする心や、自分と違う者を排除しようとする気持ち。そう言った人間の負の本能が根底には有って、最終的に人間が進化して、唯の生物だと言う枠を超えて神の領域まで精神性を高めないと滅びは回避出来ないのだろうと感じた。

戦争して、平和になるをずっと繰り返して来た人類も、太陽を創り出せ命を操作出来る段階まで来て、いよいよ週末戦争が起こせる段階まで科学は進化したのに精神的な進化はそれに追い付いてない。

結局、未来で自分の子供も皆んな殺し合い滅ぶ結末しか見えない状況で、世界中の人が戦争なんかしたいと思わないようにするには、皆んなが笑顔で居る時間が少しでも長くなる事が必要だ。

死んでも戦おうて思わないで済むくらいの自由と平等が必要だ。だから國とか人種とか、そう言う概念や隔たりは前提条件として無くさないと行けない。

私の住んでる國は島国で、そもそも流通を遮断出来る環境にある為、世界で1番人種に関しては血統主義的な思想が根強く残って居るだろう。同じアジア人でも大陸続きの人達は血統による違いをそもそも感じないそうだ。私は神託を受けた審神者として、今後、平和に導く為に此の國の人が抱える大きな課題の一つに多様性、人種差別の問題が大きく残り続ける事を伝えときたい。この人種を区別する感情を克服しない限り、大災は私達の大切な人々を巻き込み燃やし尽くすだろう。

人種が違い、会う事も無いほど遠い存在の全ての人々と自分を同じように大切に思えるような心が芽生えた時に、滅びの宿命回避出来るのだろう。

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