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【実体験5カ月】平均的会社員が独立して月収100万円を達成するまでの軌跡【キャリア】②転職の失敗と人生の荒波

こんにちは、まじこじまです。前回に続いて、全5回のうち2回目の投稿になります。

前回の記事はこちら

👆の投稿では、「転職者は自分で交渉しないと給料が上がらない」という

よくある俗説を確かめるために実際に交渉してみたけど結局上がらなかったというところまで書きました。今回は、いよいよ給与UPのための2つ目の手段として「転職」をしてみてどうだったかというお話なのですが、タイトルから想像つく通り、僕はけっこう手痛い失敗を経験しています。


②転職の失敗と人生の荒波

キャリアチェンジの経験

僕はこれまでに合計3回転職をしています。(のちに独立)
独立してフリーランスになってからも、受けた仕事の中に契約社員として100%稼働で働いて欲しいという依頼があったので、会社員としての経験に含めるならもう少し増えますが、転職当時は「失敗」と感じ絶望していました。

新卒で入社したのはLION株式会社。知名度も高い大手化学系メーカーで、今振り返ってみてもリーマンショックの翌年で採用が削られていた中、ここに入社できたのは僕にとってとても幸運なことでした。
8年間の営業生活の中で社会人としての基礎、コミュニケーション術、マーケティング、海外での研修など多くの経験を積ませてもらい、待遇も良い総合的に見て超優良企業でした。

ここから転職する時は、多くの人に反対もされましたが

・将来的に何かに依存せず自分1人で生き抜いていける力が欲しいと思った
・「人の成長に関わる仕事」を自分の生業にしたい

という思いから未経験転職を決意しました。

内定をもらって入社したのがベンチャー体質溢れる研修事業会社。僕の人事系コンサルタントとしてのキャリアの原点でもあり、今ではここでの経験にも感謝させられることが多いのですが、当時の自分は正直に言うと絶望していました。

・LION時代の僕(29歳)の年収は610万円+家賃補助年間約80万円
・内定通知に書いてあった待遇は「月俸40万円+インセンティブ+賞与」

事実ベースで言うと、これが僕の身に起こった収入の変化です。
40万円×12=480万円なので、賞与とインセンティブで頑張れば今までの暮らしは維持できるかな、という目算で入社しました。何よりここは待遇面よりも、「業界未経験でも研修講師業にチャレンジさせてもらえる」というのが魅力でした。

未経験業界への転職であれば、年収は下がることも多いということは多くの方に肝に銘じておいて欲しいところです。

しかし入社して間もなく、1年前に入社した先輩と飲みに行った際に
「賞与もインセンティブも出ないですよ」
という事実を知らされて戦慄しました。

賞与は会社の業績に応じて決まるもの。
インセンティブは自身の貢献に応じて決まるもの。

もちろん、出るのが「当たり前ではない」とは頭では理解していたものの、どのような条件で決定・分配されるのかまで入社時に確認できていませんでした。
また、そもそもこの「内定通知書」についても元々内定者が出たからと言って作るものではなく、僕の方から「何か書面で内定を頂いたということを証明して頂けるものはありますか?」と聞いて人事部のお姉さんが急遽初めて作ったものだそうで、先輩は「内定通知なんてそんなもの貰ってないですよ。まじこじまさん、しっかりしてますね」と言われたくらいです。(ちなみに人事のお姉さんにも同じこと言われました)

どういうことか細かく言うと、この会社では最終面接における社長との口約束で内定ということになっており、特に書面もメールも送られてこないという状態だったのです。内定が出たか出ないかは別として、どのような条件での雇用契約を結ぶのか?何の書面のやりとりも無く進められようとしていたということです。月俸いくらとか、年間休日とか、そういうものを内定者に通知する書面がないというのはさすがに僕も不安を感じたのですが、「ベンチャーってこんなもんで、大企業みたいに何でも整ってるわけじゃないから」と先方が言うので当時は飲み込んでいたのです。

最近では僕は、新卒で大企業に入社するというのは、多くのビジネス能力をじっくり育成してもらえる機会ではありますが、同時に「社会の厳しさ」というのを覚える機会を生涯奪うものでもあるという風に感じています。

大学生→大企業というキャリアを辿ると、いかに大企業が「人が生きるために必要な手続きや危険からの庇護」「親代わりとなって与えてくれているか」ということに気付かされます。

ボーナスが出るのは当たり前じゃないし、企業はこちらから確認もされていないことをいちいち全部話してはくれない。前回の記事で書いた給与交渉をした会社も「就労規定」を入社後に目を皿にして読んで初めて昇給・昇格の条件が判明したんです。ちなみに就労規定は「読ませて」といっても企業秘密なので入社前に見せてくれない会社も多いと思います。これは求職者にとって公正ではないと感じる方もいるかもしれませんが、世の中そんなにアマくはないということですね。

どうでしょう、会社に入るときに労働基準法について事前に勉強した人ってどのくらいいるでしょうか。法学部とか、経営学部とかが授業でやるかもしれませんが、実は自分と会社との間で労働契約を結ぶという大事なことをやるのに、たぶんそういうことは「会社なんだから」しっかりしてるだろうと会社にお任せ状態になっていたのではないでしょうか。

かくいう僕もそのひとり。自分事化するきっかけが無いと、一生知らないまま会社との間の労働契約なんてよくよく読まずに印鑑を押す人生だったと思います。

ちょっと余談…従業員のために何でもやってくれる大企業の功罪

キャリア相談(実話)

余談になりますが、最近、40歳を迎える大企業勤めの方(Aさん)から受けたキャリア相談を受けた際にこんなシーンがありました。
これは「ほんとうにあった怖い話」レベルの実話です。

Aさん
内定先の会社は想定730万円って書いてあるけど、ここに家賃補助と私の今の家族構成だと子供1人分手当が出るから今とそんなに変わらないよね?


内定先の会社は家賃補助いくらまでっていうの提示されてるんですか?

Aさん
言われてないですけど、ふつうありますよね?


えっ?いや、あるかどうかは会社にもよりますし転職者にも出すかどうかは結構厳しいところが多いです。言われてないなら出ないかもしれないです。

Aさん
いや、家賃補助出さない会社なんてあるんですか?


出してくれる会社の方が少ないくらいじゃないですかね。
出してくれる会社ってかなり良い会社ですよ。

Aさん
何それ、家賃出さないとかブラック企業じゃないですか?


うーん…いや、Aさん今住んでるのが東京で、勤務地も東京ですよね?
出ないケースもかなり多いと思いますけど…

Aさん
それじゃ、家賃補助ないんですか?うわー、騙されるところでしたよ

…いかがでしょう?これ40歳の人との会話ですからね。皆さんがどう思うか、色んな反応があると思うんですけど、、、良かったらこの会話についてどう思ったかコメントで教えてください。

大企業で借り上げ社宅扱いで家賃も天引きで補助が入った後に引かれてる状態でしか社会人経験がないと、こんな風になってしまったりするんです。
ちなみに、こういう会話をすることは少なくありません

税金のこと、年金のこと、健康保険のこと、賃貸契約のこと。
生活リテラシーとでもいうようなことが身についていないことは、僕が転職をしたり独立してフリーランスになったりして気づいた事のひとつ。

僕も大企業に勤めていたからわかるんですが、大企業って色んな「日本で大人として生きるための手続き」を勝手にやってくれていたりします。
そのおかげで無意識に生活リテラシーを奪われていて、子供のような状態でいる大人って実は相当数いるんじゃないかと思います。もちろん、先ほどのAさんは仕事は問題なくできます。ただ、一般的に見て大企業に新卒で入社してホワイトカラーで18年お勤めしていたら、社会常識は当たり前のように兼ね備えていると思いがちでしょうが、その会社での仕事以外何もできない人はいます。

原因は会社での仕事以外のことがこの人の関心の輪の外にあるからです。

もちろん、やらなくても会社に属する従業員という働き方で一生を終えるなら、問題なく生きられるというのは良いことなのかもしれません。

このシステム(企業が社会保険や健康保険、年金の納付などを代行する)はこの先そうそう政府が変えてくるとは思えませんし、そこまで心配することではないのですけど、自分の会社がしてくれていることや、自分の勤めている会社の福利厚生が果たして世の中の他の企業と比べてどのくらい充実しているか、あるいは不足しているかは、ちゃんとアンテナを伸ばしておいた方が良いかと思います。

今は色々なことが起きる世の中です。
トヨタさんみたいな大企業ですら、リコールが起きて大きな打撃を食らったりします。
ちなみに、あまり詳しくは書けませんが僕も2回目の転職先が、入社して半年後に大きな不祥事が発覚して会社の屋台骨が大きく揺らぐという事件に遭遇しています。

転職という選択肢を持っておくことは、会社に対する依存度を下げておくこと。実際に転職しなくても、「自分は他所でもこのくらいの値段で買ってもらえる」という認識をしておくと、心に余裕をもって仕事ができます。

2度目の転職先での会社の不祥事は、もちろんショッキングな出来事ではありましたが、1度目の失敗を経験していた分強くなっていたのを実感したタイミングでもあります。プロパーの社員よりも動揺せずに、今自分がやる事をやろうというマインドで仕事ができたから。

転職ではなく会社に残って働き続けるつもりでも、自分が後ろ盾を失った時にどれくらいの値段で雇って貰える人材なのか、市場価値を知っておくのは良いことだと思いますよ。

次回はいよいよ本題の収入ジャンプアップ独立編に入ります。

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