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ゼロイチ就農の生存戦略


新規就農には大きく分けて2種類ある

新規就農には大きく分けて2種類ある。
ゼロイチ就農と親元就農である。
本当はここに事業継承就農を入れたいがまだ事例が少ない。本音でいえばこの事業継承就農が主流になれば新規就農の難易度は下がると思うのだがそれはまた今回の話とは別の話。

話は戻るが、ここでいうゼロイチ就農とは完全にゼロから始める新規就農者のことで、農業を始めるにあたり「自分で」土地を探し、「自分で」道具を揃え、「自分で」売り先を見つけ、「自分で」資金を集めてこなければならない創業型の新規就農のことである。
逆に親元就農は親が家業としていた農業を引き継ぐ形で就農する継承型の新規就農のことである。

ゼロイチ就農にはゼロイチ就農の課題があり、親元就農には親元就農の課題があることは重々承知しているが、冷静に考えて「ゼロイチ就農」のほうが圧倒的に難易度は高いと思う。
統計調査等のデータには出てきていないが、築き上げた「礎」を引き継ぐのと、その「礎」をこれから築き上げるのとではどう考えても後者のほうが生存率は低くなるだろう。

ゼロイチ就農の生存戦略

ではゼロイチ就農はどう生き残ればいいのだろうか。礎のある農家と同じ農業をやっていてはなかなか「選ばれる農家」にはなれない。当たり前である。どう考えても“今までの実績がある農家”か“何の実績もない農家”なら実績があるほうを選ぶのは当然の結果だ。
そんな世界観の中で私たちゼロイチ就農者は「選ばれる農家」にならなければならない。
どうするのか。それには3つポイントがあると考えている。

①     ぶれない軸を持っていること
②     特化すること
③     応援されること

これがゼロイチ就農が生き残るための条件であると考えている。
ここで勘違いしてはいけないことは生産物をしっかり作るというのは大前提。そもそも生産物が作れない農業者は生き残るとか残らないとかの議論の壇上にも上がれない。
生産物をしっかり作ったうえでどう生き残っていくのかの話だ。

話を戻すとこの3つのポイントが重要であり「選ばれる」農家になるための第一歩だと思う。

まず①「ぶれない軸を持っていること」だが信頼を得ることにかかわってくる。普段の人間関係でもそうだが言ってることとやってることが違ったり、周りに流されて意見をころころ変えたりする人は信頼されにくい。商売とは言えどこまで行っても所詮は人同士のつながりなのだから「選ばれる」ためにも信頼関係は大事だ。

次の②「特化すること」はわかりやすいと思う。同じ生産物のなかであえてそれを選ぶのかの理由になるからだ。何が特別なのかを説明できない実績もない生産者からあえて買う理由なんてない。だからこそ、ぼやかさず一点突破の特化型である必要がある。

最後に③「応援されること」に関しては最重要かもしれない。自分が困ったときに助けてくれる人は応援してくれている人の中にしかいない。これは絶対だと思う。もし応援してくれてないのに助けてくれる人がいたらそれはたぶん詐欺師だ。だからこそ日ごろから応援してもらえるような行動や言動、立ち振る舞いが必要だと思っている。

では彩園なかやはどうなのだろうか。
彩園なかやの軸は「安定供給、安定品質」である。彩園なかやの取り組みはすべてこれを達成するために行われているといっても過言ではない。

何に特化しているかは「数学を活用したネギ専門農家」であるということ。データサイエンスを生産の主軸に置きネギだけを追求することを表に打ち出す農家なんて少なくとも私の周りには誰もいない。

そして応援されるために彩園なかやは”真摯であること”と”夢や未来を語ること”を常に実践している。応援されるかどうかはその組織の心意気次第だと考えている。相手を裏切らない真摯さと本当に実現したい夢や未来を語ること。これが応援されることにつながってくると思っている。

おわりに

おわりに少しまとめると、言いたいことは一つだけ。
“ゼロイチ就農は創業だから既存のやり方をなぞるだけでは生き残れない”
ということである。


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