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春は阪神、ようよう混み合う宜野座 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(35)

亜熱帯で冬でも温暖な沖縄は、プロ野球の各球団がシーズン開始前に行う「春季キャンプ」の拠点として多くの市町村が選ばれています。2021年の時点では12球団中9球団(ソフトバンク、西武、オリックスが宮崎のみ)が沖縄県内でシーズン開始に向けて練習に励んだようです。

沖縄観光業にとってプロ野球球団のキャンプは、本来オフシーズンの2月に観光客を呼び込める起爆剤の一つです。僕は元々阪神タイガース贔屓で、2016年から監督に就任した金本知憲監督が好きだったこともあって、2016年春に阪神タイガースのキャンプ見学に訪れたことがあります。拠点は北部の宜野座村で、うるま市石川からも行きやすかったです。

まずドン引きしたのが、野球場最寄りの宜野座インターチェンジ(IC)。沖縄の高速道路は県南の那覇ICから県北の名護ICまでの一本道で、通勤時間などに混み合うのは人口の多い那覇、西原、北中城、沖縄南までです。それより北は、美ら海目当ての観光客が多い、名護ICで最後ちょっと渋滞するかな、くらい。

ところがその日の宜野座IC、料金所が渋滞し過ぎて、高速道路の分岐路まで車両がはみ出て行列ができるくらい、渋滞してました。「わ」ナンバーや「れ」ナンバーばかりなので、阪神目当ての観光客でしょう。北部のICでこれほどまでの行列は初めてみました。さすが人気球団、と呆気に取られながら、自分もその行列を構成する一車両となります。

そんなこんなでようやっと宜野座村に到着です。そういえば初訪問かも。そして運動公園内に立地するドーム型の球場がまた、大層しっかりした、立派な施設なんですよね。(写真の奥にちらりと写っています)

人口6,000人ちょっとの村にあってオーバースペックでは?……などと思うはずもないよね。日頃観光客に無縁の宜野座村に、これだけ大挙して観光客が押し寄せるのなら、経済効果は推して知るべし、でしょう。

パンフレットをもらって、キャンプエリアをうろうろします。そこかしこを行き交う派手なおばちゃんたちからけたたましい関西弁が飛び交っていました。ここは大阪? 

ブルペンも立見の観光客がたくさん。捕手の矢野選手を見れたのが嬉しかったです。

通常シーズンでは観光客が寄り付かないような市区町村でも、「プロ野球選手たちが見られる」というだけで県外から客が押し寄せるというのは、傍からみていて凄い経済効果ですね、これは……。

ただ宜野座村に限定して考えれば、村内にホテルや飲食店が充実しているわけではないため、キャンプ周辺に屋台や土産物が数多く出たりしているものの、経済効果を算定しようとしても限定的ではないかとも推測してしまいます。

実際、阪神の選手たちもホテルは読谷村の残波岬ロイヤルホテルだったり、飲食しているのは実はうるま市石川だったり(シーズン中は目撃情報がちらほらあります)しますからね。

しかしまあ、県北地域全体にとっての波及効果は間違いなくすごいものがあると思うので、ぜひこれからも引き続き阪神のキャンプ地定番として関係性を深めていってほしいものです。

なお沖縄県民でプロ野球大好きというのは、周囲にはあまり聞かなかったです。

那覇で年一は主催試合を開催し、キャンプも那覇で行う巨人ファンがちらほらいたかなという程度。個人的観測の範囲だとうるま市でキャンプを行う球団がなかったから、というのも影響あるかもしれません。

ただ、沖縄県出身のプロ野球選手が出ると、地元のマスコミや出身市町村では大きく取り上げられます。


ちなみにうるま市石川にも野球場、体育館などの運動施設が揃っており、韓国のプロ野球球団のキャンプ地になっているのだとか。今にして思うとたまに韓国人観光客をうるま市石川で見かけるのは、キャンプ見学がてらの観光だったのかな。


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